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ああ、モンスターペイシェント、ファミリー [医療記事]

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最近、教育現場で、理不尽な要求を突きつける親達のことをモンスターペアレントと呼称するようになったようだ。このような、クレーマー的な人種が増えてきた社会背景には、いろんな要因があるであろう。私個人的には、便利になりすぎた現代都市化社会そのものが、大きいと思っている。

さて、この教育現場の荒廃ぶりは、そのまま今の医療の現場にも当てはまらないだろうか?

我々が、一生懸命患者のために良かれと思ってやった医療行為が、残念な結果に終わってしまったとき、患者家族から、感謝されるどころか、訴訟され損害賠償を請求される、訴訟とまではいかなくても理不尽なまでの謝罪を要求されるなどなど、医療者の心に深い傷を負わせる仕打ちを行なう人たちが増えているような気がするのだ。

そのような患者やその家族達を、モンスターペイシェント、モンスターファミリー と呼称できるのではないだろうか?だれも今までに言ってなければ、私は、いまここでそういう言葉を提唱したい。

医療者側から、こんな物言いをするとは許せんとお怒りの方もおられるとは思う。それでもあえて私は提唱したい。
やはり、理不尽なものいいには、毅然とそれは理不尽だと主張することが、結局は、医師の心の健康にプラスになり、ひいては貴重な医師という人材がドロップアウトしないための方策となると私は信じているからだ。

大多数の善良な方々は、我々医療者と良好な関係を築ける人達だとは思う。 しかし、ほんなわずかでも理不尽な人のために、一人の医師の心が折れたとき、多くの関係ない善良な人たちがその医師から享受できたであろう医療が受けられなくなってしまうのだ。

なお、医療者の中にも、一部、モンスタードクターと言われても仕方がない人もいるということも正直に申し上げておく。しかし、一般の方々と同様に少数派だと思う。 少なくとも、マスコミ報道自体に、明らかに歪曲性、偏向性という問題があり、その結果、実際以上に不当なまでに医療者が極悪人であるかのようなイメージを自然と世間の人々に植えつけられてしまうという視点を忘れないほしい。

あるモンスターペアレントについて述べたブログをたたき台にして以下のような文を作ってみました。

以下は、 ああ、モンスターペアレント が原文です。 

モンスターファミリーが、さまざまなマスコミで話題になっている。
理不尽な要求を病院へ突きつけ、謝っただけでは許してくれず、すぐ「訴える」というのが彼等の常套手段である。現場にいる医師は、このようなファミリーが一人でも病院にいれば、正常な医療活動ができなくなる。 
でも、私がブログで今まで何度も書いてきたように、このような事態は今に始まったことではない。 
ますますひどくなっていることだけは事実であるが、私は、もう正常な医療活動ができないほどにひどくなっていると思っている。 
もちろん、いつも言うことだが、モンスターファミリーの問題は、氷山の一角である。 
その裾野には、直接理不尽な要求を突きつけないが、そのように思っている患者達はごまんといるのである。 例えば、次のようなことだ。 
ーー子供を自宅まで迎えに来て、病院まで連れて行ってほしい。 
ーー子供は熱があってきつそうだけど、自分は忙しいので子供を病院へ行かすから何とかしてほしい。 
ーー子供は、点滴が嫌いなので、治療から、点滴を除いてほしい。 

驚くにあたいしない。こんな話題などいくらでも事欠かないのである。 一体、この問題は、何なのだろうか。 ここには、病院の捉え方の変化が大きくある。 つまり、病院は、「診て」ー「治す」という医療機関ではなく、医療サービスを受けるサービス機関と考えられているということだ。 病院は、自分たちが税金を払って成り立っているのだから、サービスを受けるのは当然であると考えるのである。 患者たちの「治療」の場という考え方が、恐ろしく遠のいていっている。 もちろん、このような考え方があるのは、患者たちだけではない。 医療行政でも、医療を「商品」化して考えているところがある。 だから、この考え方は、患者達にも徐々に浸透していっている。 モンスターファミリーの問題は、同時にモンスターペイシェントの問題でもある。 それは、比例して膨れあがっている。 地区の弁護士と相談して病院を援助してもらう制度が確立していかなくてはならない。 そうしなければ、病院で正常な医療活動などできないのである。 だが、問題は、モンスターペイシェントである。 私たち医師にとって、こっちの方が、より深刻である。

私達医療者が教師と違い、難しいところがある。それは、相手の感情や行動を、疾病という視点で、医科学者のような冷静な視点からも、相手を見ておかないといけないということだ。 そういう目で眺めて、治療可能な病気が原因(器質疾患、精神疾患を含む)が見つかれば、それはそれで医療を必要とするのだ。 相手をモンスターと判断して、毅然とした態度に切り替えるのは、そういう冷静な視点を通過したうえでのことでないといけないのだ。 そこが教師と決定的に違うと思う。


コメント(13)  トラックバック(1) 
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コメント 13

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doctor-d-2007

同じ言葉を今日思いついてましたが、
先を越されました(^^

モンスターとは、気持ちよく言い切ってくれましたよねホント(^^
by doctor-d-2007 (2007-07-24 20:39) 

ミチバ

私も、クレーマー的患者・家族には毅然とした態度が必要と考えています。ただ、そのためには、病院のトップが腹をくくる必要があると思います。
私は、病院に、「暴言・暴行お断りといった」ポスターを貼りたいと思っています。ただ、よい標語とデザインが今のところないのですが...
by ミチバ (2007-07-24 22:16) 

春野ことり

私も同じようなことを考えていていつかブログに書こうと思っていました。先生が書いてくださって嬉しいです。
by 春野ことり (2007-07-24 23:24) 

おしっこのお医者さん@

ついでにモンスターマスコミってのも流行らせたいですな・・・
by おしっこのお医者さん@ (2007-07-25 08:45) 

ほわほわ

はじめまして。
一般人なので、医療については不知ですが、
いつも興味深く拝見させていただいております。

ところで、地裁判決ではありますが。

・ 「患者の請求不当」 医師側の慰謝料認定--地裁判決
http://www.mainichimsn.co.jp/chihou/chiba/news/20070724ddlk12040162000c.html

宜しければご参考までです。
by ほわほわ (2007-07-25 21:03) 

ほわほわ

度々失礼致します。

正しくは、
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/chiba/news/20070724ddlk12040162000c.html
でした。

失礼致しました。
by ほわほわ (2007-07-25 21:15) 

元なんちゃって救急医

>doctor-d-2007 様
是非、先生は先生の視点でモンスター関連のエントリーをお願いします。

>ミチバ様
まったく仰せのとおりです。トップの腹のくくり方は大きいです。

>春野ことり様
是非、先生も先生の視点でぜひエントリーをお願いします。

>おしっこのお医者さん@
マスコミは、あえて呼称するまでもなくモンスターかもしれないですね。

>ほわほわ 様
記事の紹介ありがとうございます。こういう記事から、医師が強者、患者が弱者という過去の産物を、世間の認識としてあらためてほしいと思います。
by 元なんちゃって救急医 (2007-07-26 07:07) 

Dr. Angry

やっとこういう問題を論じてくれるブログを見つけました。権利ばかりを理不尽に主張する患者。確かにごくごく一部ではありますが、そんなに小数であるのに彼らが医療者に与える被害たるや甚大であります。極論ですが、患者が医者を選ぶ権利があるというのなら、医者にも患者を選ぶ権利があってもいいのでは?(この昨今の狂った世の中においては。少なくとも私の周りの医師はみんな同じことをつぶやいています。)ちなみに私の医学部時代の同級生(まだ30代)は既に二人自殺、他にもかつて同じ病院・科で勤務していた私より若い医師も最近自殺しました。何が最も彼らの心を破壊したかは言うまでもありません。
by Dr. Angry (2007-07-29 00:00) 

地方のある医者

いつも役に立つブログ、楽しく読まさせていただいています。先日、モンスターにたて続けに会いました。権利ばかり主張する患者、そして病院にくれば死なないと思っている家族、そして主治医失格だと罵倒しながら通い続ける患者、部長に相談してもなしのつぶて、正直言って非常に疲れました。医者を続ける意味を考えてしまいましたが、このブログを読み、自分と同じように感じている人たちがいることがわかり、非常に元気が出ました。このブログにであえてよかったです。
by 地方のある医者 (2007-07-31 19:28) 

元なんちゃって救急医

>Dr. Angry 様

コメントありがとうございます。お亡くなりになったお知り合いのDrの方のご冥福をお祈りします。気張って患者を変えようと努力するよりも先に、医業を営むにあたり、自分達の心の防衛を図ることが先決ですね。やってられない世の中です。

>地方のある医者様

コメントありがとうございます。元気をもってもらえて私も嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。
by 元なんちゃって救急医 (2007-07-31 22:09) 

へこみ

医師の方がだけでなく、私たち看護師の精神状態をめちゃめちゃにするモンスターペイシェントもいます。私は昨日、診察室のドアを開けるのが送れたことで、「ドアくらいあけなさいよ!気が利かないわね!」と怒号を上げられ、車椅子にどかっと座り、部屋まで送ったところ、部屋の入り口の洗面台で手を洗いだがら「あなた、いくつ?」と聞かれました。「私の年齢が何か関係ありますか?」と聞き返すと。「…」「経験があっても雑な人は雑ですね」と。「私は雑ですか?」「はい」「…それは申し訳ありませんでした」と答え、ベッドに移るのをみとどけてから、部屋を出ました。このペイシェントは双子の切迫早産の妊婦でベッド上安静、ベッド上排泄となにかとストレスがあるのだろうと、スタッフ間でもとくに気を使ってできるだけのことは意に沿うようにケアしてきたつもりです。それでも彼女は言いたい放題を言っています。ちなみに彼女は別の病院の元NSです。他の患者さんとも比較しても他の方には申し訳ありませんが、特別扱いしています。それでも気分のむらが激しく、私だけではなく、スタッフのほとんどが何かしらクレームをつけられています。このままでは私の精神的ストレスも溜まり、おかしくなりそうです。よいアドバイスをお願いいたします。
by へこみ (2008-01-07 00:42) 

元なんちゃって救急医

>へこみ様

DESCというコミュケーションテクニックをそのうちにエントリーに入れる予定です。それが、何らかの参考になるかもしれません。

まあ、相手の行動で、自分の感情が害されるとき、それを、自分がまず自覚すること。そして、それがなぜかを考える自分をもつこと、感情を表現する自己表現法を事前に事故学習しておくことなどが、看護師としての職業をもまっとうするスキルになるえるかもしれません。

なぜ、相手がそんな行動をとるのだろう? 
なぜ、私は、そんな風に感じるのだろう?

こういう疑問を一旦はさんで、そして自分の行動を決めることをお勧めします。
by 元なんちゃって救急医 (2008-01-07 22:11) 

今日の救急医

先月の一次救急センターへのクレームがきてました。
①少ししかみてもらえず3000円は高い。緊急性がないのに週末にコンビニ受診し、緊急診療代をごねる患者。すいている時間を狙って夜中朝方にくる患者に多い。
②調子が悪くて病院にきたのに点滴をしてもらえなかった。
調子をよくする点滴の薬はありません。それは気のせい(プラセボ効果)です。点滴の治療神話をまずはなくしてほしいです。もちろん適応がある患者には点滴しますが。このへんは無駄に点滴をして患者の満足度を上げる開業医の影響もあります。
by 今日の救急医 (2014-01-12 13:40) 

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