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マスコミはいつも誰かを責めるだけ [医療記事]

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この数日の話題といえば、奈良妊婦流産の話。

ちょっと騒ぎすぎではないか? そもそも、ある医療の結果をレトロに振り返る場合、

1)医療者個人・医療施設組織の問題、
2)医療行政の問題、
3)患者側個人の問題、
4)医療行為あるいは疾患そのものに内在する不確実性などの問題

様々な側面からみた振り返り方があろうというもの。ところが、巷の報道は、奈良大淀病院の騒ぎと同レベルで、1)2)のみに終始して、ただ騒ぐだけのマスコミ報道。まったく反省してない。情けない限りである。

社会の中での欠落したシステムがある。それは、

マスコミ報道の偏向性を指摘して是正するというシステムの欠落

である。 私は、彼らの自浄作用なんてまったく信じていない。


魚拓
http://megalodon.jp/?url=http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070831/shc070831001.htm&date=20070831073714

【主張】
妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち


次々と病院から受け入れを断られ、たらい回しにされた奈良県の妊娠中の女性が、救急車の中で死産した。奈良県では昨年8月にも、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった妊婦が、19カ所の病院に転院を断られ、死亡している。悲劇が再び起きたことに死亡した妊婦の夫は「この1年間、何も改善されていない。妻の死は何だったのか」と怒りをあらわにする。
その通りである。「教訓が生かされてない」と批判されても仕方がない。

 

 女性はようやく見つかった10カ所目の大阪府高槻市の病院に向かう途中、救急車内で破水し、その直後に救急車が軽ワゴン車と衝突した。 事故後、消防隊員が連絡すると、病院側は「処置は難しい。緊急手術も入っている」と断った。その後、大阪府内の2病院にも断られ、困った消防隊員が再び要請すると、高槻市内の病院は受け入れをOKした。結局、病院にたどり着いたのは、119番から3時間もたっていた。 奈良県では危険な状態にあるお産の周産期医療の搬送は、健康状態を把握しているその妊婦のかかりつけ病院が県内の2病院に連絡し、それぞれが受け入れ先を探す。この仕組みだと、比較的受け入れ先が見つかりやすい。 しかし、死産した女性はかかりつけの医者がいなかった。このため、一般の搬送の手順で消防隊が受け入れ先を探した。これが時間のかかった理由のひとつだという。 奈良県の幹部は「かかりつけ医のいない妊婦の搬送は想定外だった。すぐに対策をとりたい」と話すが、トラブルや事故は予期せぬ中で発生するのが常である。早急に抜本的対策をとる必要があろう。 周産期医療を扱う病院は、全国的に減少している。産婦人科医は内科医などに比べ拘束時間が長く、訴訟も多いからだ。 妊婦のたらい回しは、奈良県だけに限った問題ではない。厚労省は産科医などの医師不足対策に本腰を入れて取り組むべきである。 それにしても、痛みをこらえる患者をたらい回しにする行為は許されない。理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。
(2007/08/31 05:02)
最低ですね。この記事。こんなことをいわれても、私たちは、「お前らなんかに言われたくないわ」とネガティブな感情しかわきません。 医師の気持ちをくじくだけの最低最悪の記事です。

それでも、ひとつくらいなら、医師を責める論調の記事があってもまだよしとしましょう。 
⇒1)の視点

2)の視点は、ここでいうまでもなく、いつでもマスコミのターゲットですよね。

では患者側の自己責任を考える論調がマスコミから出ないのはなぜでしょうか?
⇒ 3)の視点

では、産婦人科医師のコメント等を通して医学的な知識の啓蒙がなされないのなぜでしょうか?
⇒ 4)の視点

要は、マスコミ報道は、バランスが悪いのです。あるいは、意図的にそうしているのでしょうか?

どうか、皆様、マスコミからの情報を解釈するとき、
報道されていない視点は何か、なぜ、彼らがそれを報道しないのか
そんな視点で記事を眺めてみてはいかがでしょうか?

以下追記します。

奈良県立医科大学のHPにその日の当直の様子が公式発表されました。

こちらがその資料です。http://www.naramed-u.ac.jp/~gyne/2007.08.28.html

こんな記事を書いた記者やその新聞社こそ、非難されるべきであって、医療者が非難されるのは到底筋違いです。 この資料の最後を引用します。

(午前)08:30 当直者2名は一睡もしないまま、1名は外来など通常業務につき、他1名は代務先の医療機関において24時間勤務に従事

とあります。なぜ、このように身を粉にして働いてくださる産婦人科医師たちに向かって、よくもこんなことが言えたものです。

以上 追記でした。

そうそう、そういえば、これがちょうど100エントリー目です。 ブログを書き初めてから、半年が経ちました。これが私の記念すべき最初のエントリーでした ⇒ 医師を助けた看護師の一言

ここまで続けてこられたのは、多くの方の暖かいコメントに支えられてのことでございます。今後ともよろしくお願いします。


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共通テーマ:日記・雑感

コメント 45

コメントの受付は締め切りました
あつかふぇ

もう、開いたふちがくさがりませぬ・・・。
by あつかふぇ (2007-08-31 11:14) 

春野ことり

こんな最低の記事を見る限り、マスコミに自浄作用なんて期待するだけムダですね。レベル低すぎ。
ところで、100エントリーおめでとうございます。今後も楽しみにしています。
by 春野ことり (2007-08-31 12:08) 

僻地外科医

 3)の視点がないのは彼らにしてみれば当然で、そんなことを欠くとバッシングを受けるか、売れなくなるからでしょう。

 要は社会の公器としての視点がないだけのことだと思います。売れれば良しなんでしょう。

>理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。

 笑わせますね。では、手術を放り出して手術中の患者は死のうがどうしようがどうでも良い、ベッドがないのに受けて他の患者は追い出しても良いというのが彼らの言いたいことなんですかね?アホちゃいますか?
by 僻地外科医 (2007-08-31 12:19) 

akagama

患者を救いたくない医師なんて、どこにもいません。
一番苦しんでいるのは医師なのに。
この記事をよんで、頭から煮え湯をぶっかけられたような気がしました。
by akagama (2007-08-31 13:12) 

山口(産婦人科)

まじめに怒ってくださってる記事に茶々を入れるようですが、「責める」であって「攻める」じゃありません。

攻撃されている気分なので、そう書きたくなるのはよく分かるんですけど。
by 山口(産婦人科) (2007-08-31 15:09) 

元なんちゃって救急医

>山口(産婦人科) 様

ご指摘ありがとうございました。
すぐに訂正させていただきました。
朝から、怒りモードで記事を書いたためでしょうか、気がつきませんでした。
by 元なんちゃって救急医 (2007-08-31 15:25) 

ER

この記事はひどいですねえ。
もうまったく仕事をやる気をなくさせてくれます。

今後、奈良医大側の主張もしっかりと報道して頂きたいものですが、そこは彼らにはあまり期待できないですかね。
by ER (2007-09-01 01:24) 

Taichan

妊婦の自己責任について書いた記事を教えてもらいましたのでTBします。
by Taichan (2007-09-01 10:06) 

rio

はじめまして。マスコミ出身者で勤務医の友人を持つ通りすがりです。
サラリーマン記者時代は医療担当も、司法担当として医療過誤裁判も担当しました。

私は今のマスコミがいいとはまったく思いませんが、こちらのブログにあるような医療関係者の方々の激高についても、それは違うんじゃないかと感じます。「マスコミ」とひとくくりにして感情的に否定することが、医療環境の向上につながるのでしょうか。

4つの視点を掲げられていますが、事案の発生直後にすべての要件を満たした万全な記事が書けるわけではありません。特に、医療のような高度専門分野は、時間をかけて検証しなければならないことが多いのです。

私はその努力をマスコミが怠っているとは思いません。しかし、衆目が集まるのは事案の直後のみ。その後の検証報道などについて、どのメディアがどういう記事を書いたか、覚えている人がほとんどいないのが実情ではないでしょうか。その結果、「マスコミは偏っている」という”耳障りのいい”批判だけが一人歩きしてしまうのだと思います。

それではなぜ、事案の発生直後に医療従事者を断罪するような「主張」が載るのか、検証がすんでからにすればいいではないか、という反論もあるかと思います。正論を述べると、それが「一般人多数派の感覚」だからです。

業界内の事情なんて当然分からないし、ましてや医学的知識なんて言われても、バラエティ番組でみるぐらいが関の山。そうしたマジョリティが、「妊婦が病院に受け入れてもらえずに流産した」という事実を知ると、産経が書いたような「怒り」がわくのです。道を歩いているひとをランダムにつかまえて聞いてみてください。産経の「主張」を読んでいないひとでも、似たようなことを言うはずです。

マスコミが突然変異的に「怒り」を表明しているのではなく、背後には同じ考えを持ったサイレント・マジョリティがいることは、謙虚に受け止められてしかるべきだと思います。

その上で、「怒り」が的を射ていないとお感じならば、どこがどういう事実に反しているのかを、ロジックで述べるべきでしょう。

残念ながら、ブログの記事は「一生懸命やってる人に文句を言うな」という感情的な主張にしか受け取れません。その言い分が通るならば、マスコミ批判もまた、してはならないはずです。おかしいですよね。

もう一点、今回の事案で女性に主治医がいなかったことについて、「自己責任」という批判をされていますが、これは医療従事者としての存在価値を自ら否定している発言ではないでしょうか。医療従事者が「自己責任」という言葉で患者を選別したいという欲求が、いまの医療業界に渦巻いているのでしょうか?

医療従事者は、国家から権限を与えられた「権力者」です。そのため、常に結果を問われ、厳しい監視と批判にさられるのは宿命とも言えます。それと引き換えに、日本のみならず世界的に通用するステータスを得ているのです。マスコミ批判も、事案への言及も、そうした自覚のもとに行って欲しいと思います。
by rio (2007-09-01 11:03) 

元なんちゃって救急医

>rio 様

大変貴重なご意見をいただきありがとうございます。
十分に熟読の上、ご返答申し上げたいと思います。

一点だけ、即答します。

これは、感情的に書いてます。 それは、自覚のうえです。
私が「怒っている」ということを伝えたいのです。 
時に、「心」を明かすことが、読み手の「心」に響くと思うからです。

rio様の「心」に何か伝わるものがあったからこそ、貴重なコメントをいただけたと思っています。
by 元なんちゃって救急医 (2007-09-01 11:11) 

uga

マスコミは誰かを責めるだけ。その通りだと思います。病院側を責める報道然り、自己責任論が「受ける」ことを知っていてしたり顔で妊婦を責める報道然りです。この報道であらぬ噂をされ誹謗を受けたこの事件の医療関係者、妊婦さんは、まさに報道被害者ですね。最大の不幸は、今回のような報道が繰り返されることで、「医者が悪い」「いや、患者の自己管理がなってない」という不毛な論争が起き、医師と患者の信頼関係が損なわれてしまうこと。周りに信頼できる医療従事者を知っているだけに、残念でなりません。
by uga (2007-09-01 11:20) 

psq

rioさん
申し上げたいことは色々ありますが、二つだけ。
1 マスメディアに対する不満のサイレント・マジョリティもマスメディアで取り上げてほしい。
2 マスメディアも立派な「権力」です。もしかしたら最強の権力です。
by psq (2007-09-01 11:23) 

僻地外科医

>rio様

 一点だけ
>4つの視点を掲げられていますが、事案の発生直後にすべての要件を満
>たした万全な記事が書けるわけではありません。特に、医療のような高
>度専門分野は、時間をかけて検証しなければならないことが多いので
>す。

>私はその努力をマスコミが怠っているとは思いません。

 具体的にすべての要件を満たし、きちんと検証された医療関係報道の実例をご紹介頂ければ幸いです。奈良県大淀病院の件にしても、福島県の大野病院の件にしても、あるいは東京女子医大病院の件にしても、事後でもきちんと検証し、問題点を把握された記事の実例を私は知りません。むしろ大多数は「単に大衆に迎合した」記事ばかりではないでしょうか?
 「silent majority」の声として報道されるのはかまわないでしょう。ですが、現在やっていることは単に大衆を煽っているだけで、真の問題点は何かを明確にしたものはほとんどありません。
by 僻地外科医 (2007-09-01 11:52) 

僻地の産科医

rioさま。
こんにちは。私もブログをさせていただいています。

おっしゃる事、よくわかります(^^)。
現場で働くものとしての、気持ちは同じです。
一般の方々はとても流行りに弱い。
勧善懲悪を好み、難しいものを嫌い、安易に走ります。
高度な専門性を要求され、「こうあるべき」と一方的にたたかれる。
私達とほとんどかわりません。

その中でお仕事されている方々にもつらいでしょう。
私もまぁ、今もずっと延々と尽きる事ない仕事中で、
こういった仕事の特徴は、「離れられない」「拘束されている」ことくらいかな。
で、漫画を読みます。気分転換に。

さっきは安野モヨコさんの「働きマン4」読んでいました。
台詞のなかで、
「取材相手が本当の事、言ってる保証どこにあんの?」
「そもそも俺達真実なんて書いてんの?」
労働者の実感でしょうね。
私達も、患者さんの話に振り回されます。
「こいつ、本当の事いってんのかな」
「救急隊、嘘ばっかいって軽症だっていいやがったけど、意識ないじゃん!」
「ここに送ってきてどうしろっての?」
「さっきの患者さん、返しちゃったけど、なんかちょっと不安になってきた。
 身体の中までのことなんて全部わかんない。
 ちゃんと診断できていたかな」
働くものであるなら、分かっていただけると思います。

記者の方だって売上げとか部数とか、仕事速くはやく、みたいなせいで
どうせ毎日使い捨てだよ、って擦り切れてるとおもいます。
でも、私達も軽症なのに、勝手な都合で押しかける患者さんによって
擦り切れてる。売上げは(下っ端は)関係ないけど、
こっちの都合も考えない身勝手な搬送や、軽症(へたすると病気でさえない不安なだけな人だったり、薬がほしいだけだったりする)

ま、ちょっと愚痴ですけど。働く人のこと、私はわかってるつもりです。
だけど、「それは全然、現実じゃない!」ってことかかれると困るんです!

だから、記事書いた人が、無知なのは仕方ない、
次から勉強してくださればいい、
おなじこと繰り返し言っていかないと、
記者さんだって異動になるだろうし、もうそのあたりはシステムだし、
仕方ないけれど、言わなかったら仕方ない。

だってわかってもらえないことが切実なんです!
本当に誤解に基づいた一般の方の認識から訴訟になっちゃう。
訴訟にならなくっても、疑念をさしはさまれる事だけで駄目だと思うんです。
「仕方なかった、病気だもんな~」
って思って、誰かがなくなった後に数十年生きていくのと、
「あいつのせいで殺されたかもしれない」
って思って、数十年生きていくのは違う。

患者さん側にとっても切実な問題なんです。

分かっていただけなくても、
現場の状況、客観的な判断は書き続けるしかありません。
私は医療を続けたいんです。
それも患者さんと自分自身にとって幸せな医療を。

「結局好きな事をやるためには目の前の課題をやるしかないのか」
働きマン4の最後の辺りの台詞です。
私自身の実感でもあります。
私達は、身を安全なところにおいてブログ活動を行っているわけではありません。
場合によっては自分自身の医師生命を賭けています。
周囲から見れば、ばかみたいな事なんですけれど(^^)。

お互いの立場の違いを分かった上で、
明日のために頑張りましょう。
rioさまが、よい報道(←私達にとって都合のいい、という意味ではなく)
になってくださることをお祈りしています。
by 僻地の産科医 (2007-09-01 12:11) 

はな

rioさん、
 そういう国民の風潮を作り出してきたのは誰でしょうか?マスコミではないのですか?日本の医療の優れたことを少しも報道せず、「日本の医療は3流だ」といってみたり、(これは海外に住んだことのある人なら日本の医療がいかに優れているか実感として知っています)、過誤でもないものも、過誤と言い立てるからでしょう。
 ちなみに医療従事者は国家権力者ではなく、休息も必要で、心無い言葉には傷つくただの労働者です。都合のよいときだけ聖職者扱いするのはやめてほしいと感じます。
 また、記事を書くのに事件発生直後に4条件全て満たす記事はかけないとおっしゃりながら、瞬時の判断を必要とする医療において常に100%などありえないということを理解されないのですか?ダブルスタンダードでしょう。

 日本のマスメディアでまともな医療記事をみたことがなく、恥ずかしく感じています。どうして基本的なことを勉強し、まともな医療従事者に取材して正確な記事を書かないのですか?マジョリティの感情を煽るだけがマスメディアの仕事ですか?
 アメリカで新聞を読んでいると、(新聞にもよりますが)、かなり正確で最新の知識が書かれてあり驚きます。一方で日本の新聞はみのもんたさんのようなゴシップ記事です。本当に努力しているのですか?疑問です。
by はな (2007-09-01 12:35) 

僻地の産科医

ロジックで、とのことですから、
夜にでも書かせていただきますね。

根本的に、妊婦検診は自費です。
で、妊婦検診で何を買われているのか。
どんな避け得ることをこの妊婦さんは怠ったのか。
妊娠こそ自己申告ですから。
「妊婦を全例フォローする」といっても、無理な話です。
最終月経をきちんとご本人が嘘いつわりなく話してくれないと話になりません。

搬送先がみつからなかった、といっても、
産科の世界では3ヵ月(8-11週)と実際の24週では天と地ほどの差です。
11週ではギネスに挑戦しようにも、絶対に児が助かりませんもん。
最初からあきらめる場所に入っているんですもん。
基本的に患者さんが嘘を言わないことがすべての前提なのに、
自分の最終月経をきちんと伝えてくれないと、
私達はそこから考えられる病気や確率を考えて行動するわけですから。


妊婦検診とはどういうものか。
通常、5週、7-8週、10-11週、15週、19週前後で5-6回うける検診で
何を除外し、どんな安全をみなさまが5000円×5回で買っているのか。

最終月経をウソ偽って報告することが、何を招くのか。
そういったところから、ひとつづつやっていかないと話しにならないとは思うんです。結論は今はおいておきますね..。*♡
by 僻地の産科医 (2007-09-01 13:35) 

僻地の産科医

続きです。

それから。
母体の危険性は9-11週の場合は、子宮外妊娠や頸管妊娠以外はほとんどありません。上記、異所性妊娠の場合は、命に関わるけれど、この場合は血圧や酸素飽和度など基本的に救急車の中で測るバイタル(←適当な日本語なんでしょうか、どわすれ)に異常が起きます。

流産の場合は、一般の方が思われているような緊急性は全くありません。
児も救えないし、母体も血が出るけれど、すぐに救わねばならない事態ではないのです。緊急性でいえば、とても緊急度が低いと3ヵ月の申告では思われても仕方ありません。

何ヶ月かわかれよ!とお思いになるでしょうが、
ご家族の月経なんて、わからないように、
医療者だって本人の申告を信じる以外にはなにもわかりません。
この方だって、妊娠している、と申告したのがかろうじてマシな方ですが、
頭が出掛かっていても妊娠していないもん!
とがんばっている人だっているくらいで。

どうしようもないんですよね(^^)

救急は常に、どの人が「一番医療の手を必要としているか」を考えます。
この場合はすこしも間違っていません。
結果的に間違う可能性があったかもしれないけれど、
それでも、それは患者さんが最終月経をごまかすという大失態からはじまっていて、もうそこはどうしようもありません。

それで医療者側をせめても、私達には改善のしようがありません(^^)。
残念ながら。そして産科は遊んでいたわけではないんですもん。

この妊婦さんを受け入れた場合、
おそらく他の妊婦さん、亡くなっていたと思います。
結果論的にも、目の前の患者さんをきちんと対処された姿勢は間違っていません。
救急隊からの受入れ要請の伝聞や、他の緊急度で受入れるか、
無理してでもなんとでもできる状態かどうか、
受入れたはいいけれど、他の医療機関へ行ったほうがいい事だって
現場ではいっぱいあるんです。

一生懸命、頑張っているんですけれど・・・・。
産科医がtどんどんいなくなってしまって。大変です(;;)。
by 僻地の産科医 (2007-09-01 13:46) 

腎臓内科医

>rioさま

この件をまじめに考え、さらに書き込みまでされた方を皆で責めてもアレなんですが、2点ほど。

>発生直後にすべての要件を満たした万全な記事が・・・
東京女子医大事件、大野病院事件、大淀病院事件と十分時間がたち検証も可能な案件が3件もあったにもかかわらず何も変わっていない。
私はこれを不満に思うわけです。
多くの医師がこれら3件に対する報道には声をあげて問題点を指摘しています。今回のような報道をした各社は、それらを意図的に無視したと誤解されても仕方がないと考えます。

>「自己責任」という言葉で患者を選別
私は自己責任を果たさない患者さんも当然診ます。しかし結果が悪かった時には瑕疵が相殺されるべきだろうと思っています。
奈良に限らずわが国の産科医療のリソースは極めて限られています。そのうえで良い結果を望むのなら、妊娠がわかった時点で産科検診を受けておくことは当然でしょう。そのほうが今回のような緊急時にも搬送先の選択肢がぐっと増えたはずです。
搬送システムへの批判だけでなく、「いま産科医療は危機的状況にある。より安全なお産のために27週まで産科にかからないなんてことはやめましょう。それは他の妊婦さんの安全を脅かすことにもなるというのが今回得られたもう一つの教訓である」と今後報道してほしいものです。
by 腎臓内科医 (2007-09-01 14:21) 

iniso

本当に、この社説を書いた人は、自分が何を言っているのかまるで理解していないんですね。

とりあえず病院に搬送してどうなるのか。それで処置できれば良いですが、できなければ再搬送です。救急車に乗ったままで確実な搬送先を探していたほうがはるかにマシでしょう。とりあえず病院に搬送するような一か八かの搬送が本物の「たらい回し」で過去に問題となり、それが起きないよう今回のような手順が整えられたと言うのに…

必死に記事を書いている記者に、まだパソコンが3台あいてるから3本余計に記事が書けるだろうなどと、そんなこと言う人はいないと思いますが、こと医療となるとあっさり同じ事を言ってしまうあたり、記者(国民?)の想像力の貧弱さに愕然とします。
by iniso (2007-09-01 14:49) 

あつかふぇ

rioさんに考えてほしいこと。

あなたは「素人だから誤報を流しても許してくれ」と言っているようですが、
あなたは報道のプロ。
私には、「報道のプロとは図らずとも誤報を流しても許されるものだ」と理解されてしまいました。

素人の視点で書いても良いですが、
真実を伝えるのが報道だというなら、
専門家の意見も同時に載せるべきで
「たらいまわし」などという主観的な題名を
トップに飾るべきではないと思います。
by あつかふぇ (2007-09-01 15:10) 

僻地外科医

1点だけと言いましたが、追加で。

 事後でもきちんと背景を検証し、問題点を正確に把握した報道を各マスメディアが行っているならば、今回の事案のように「また、たらい回し」などと言うタイトルを付けることはあり得ないと思いますが、いかが?前回の大淀病院事件に関してもまともに検証していない、しようとすらしていないと言うことの証左ではないでしょうか?
 silent majorityが誤解に基づいて怒りを表明するのはやむを得ないでしょう。ですが、それをきちんと検証し、誤解を正す姿勢がマスメディアにないのであれば存在価値なんかどこにもないと思いますよ。それは報道ではなく、情報の垂れ流しと言うと思います。

 マスメディアは素人が書くブログより情報収集手段においても影響力においてもはるかに大きいものを持っています。しかし、現実の報道内容は素人の書くブログと大差ありません。部分的にはむしろはるかに劣っています。それはプロとして恥ずかしいことだと思われますがいかがでしょう?
by 僻地外科医 (2007-09-01 15:42) 

なる

私は医師ではありませんが、rioさんの発言には承認しかねるものがあります。
色々ケースバイケースと思いますが、少なくとも今回の件について

>マスコミが突然変異的に「怒り」を表明しているのではなく、背後には同じ考えを持ったサイレント・マジョリティがいることは、謙虚に受け止められてしかるべきだと思います。

と考えることはマスコミの公器としての義務を放棄してるだけとしか思えないのですが。自分が書くことは同じ考えを持った大衆の意見だ…だから煽るぜ…なんてそりゃ驕りもいいところなのでは?「とりあえず多数がこういってる(ということにする)」ので記事書いちゃうぞって、少なくとも医療問題において国民は望んでないでしょ…謙虚に俺の意見を受け止めろ、ってそりゃ何ですか!?と感じました。

医師が監視と批判にさらされること自体を問題とは思いませんが、その批判があまりにも的外れだから批判されてるんですが…まあrioさん多分確信的に書いて煽ってらっしゃるんでしょうけど…

ところでこんなことより、読売のこの記事に全身脱力して投書しようと思ったのです。産経も読売もこうということは、rioさん的には医師は権力者なんだからこの程度の労働ではまだまだ足りない、言い逃れはやめろと国民は思ってるというところでしょうか…
「当直医、過酷な勤務」…県立医大、HPで経緯説明
http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/tokusyu/toku1/mt20070901kk03.htm

 同病院によると、30、31日の2日間で、「どうして受け入れを断ったのか」など約50件の苦情が寄せられた。このため、病院管理課は「病院として見解を発表し、実態を分かってもらいたかった」 としている。
 実香さんの義父、憲治さん(52)は「こんな後ろ向きのことをして何になるのか。言い逃れでしかない。これでは実香が報われない」と話した。
(2007年9月1日 読売新聞
by なる (2007-09-01 15:43) 

Dr. I

>rioさん

>、医療のような高度専門分野は、時間をかけて検証しなければならないことが多いのです。
私はその努力をマスコミが怠っているとは思いません。しかし、衆目が集まるのは事案の直後のみ。その後の検証報道などについて、どのメディアがどういう記事を書いたか、覚えている人がほとんどいないのが実情ではないでしょうか。

同じ奈良で起きた、大淀病院事件で、「たらい回し」という間違った報道をマスコミがして。
それに関して、医師ブログ等でかなり議論がされて。
その内容が新聞等にも載っていますから。
一年以上検討する時間があったのにもかかわらず、今回、同様の事件が起きて、また同じような誤報をしている新聞社やテレビ局が複数ありますけど。
それでも、マスコミは努力している、って言えるのでしょうか。

>その後の検証報道などについて、どのメディアがどういう記事を書いたか、覚えている人がほとんどいないのが実情

これに甘えて、最初の報道はセンセーショナルな見出しをいい加減に書いても良い、って思っているのは甘えではありませんか?
by Dr. I (2007-09-01 17:22) 

僻地の産科医

あと、もう一つ!!!!みつけたので。
患者さんは母子保健法違反ですよ。

母子保健法
http://www.houko.com/00/01/S40/141.HTM
(母性及び保護者の努力)
第4条 母性は、みずからすすんで、妊娠、出産又は育児についての正しい 理解を深め、その健康の保持及び増進に努めなければならない。
2 乳児又は幼児の保護者は、みずからすすんで、育児についての正しい 理解を深め、乳児又は幼児の健康の保持及び増進に努めなければならない。

第15条 妊娠した者は、厚生労働省令で定める事項につき、速やかに、 保健所を設置する市又は特別区においては保健所長を経て市長又は区長に、 その他の市町村においては市町村長に妊娠の届出をするようにしなければならない。
by 僻地の産科医 (2007-09-01 22:09) 

rio

「救急医」さんのコメントを待つべきなのでしょうが、あまりにもたくさんのリアクションがあったので、この場をお借りしてもう少し言わせてください。

まず、マスコミに対する怒りはもっともだと思います。医療関係者の方で盛り上がっていたブログにマスコミ側から踏み込んだわけですから、集中砲火を浴びるのも覚悟していました。

ただ、反論を拝読した上で申しますと、医療の現場の方々がマスコミを叩いて気を晴らすというためのブログだったのかと、拍子抜けした感じです。そういう性質のブログなのであれば、わたしのようなものの出る幕ではないと思いますし、議論がかみ合うことも永久にないでしょう。

ここで医療関係者の方から語られたことは「わたしたちは100%正しく、マスコミは100%間違っている」。この1点に尽きます。その根拠として「自己責任」「身を粉にして働いてくださる」「善意」などの発言があり、そこに賛同のコメントが連なっています。

こうした主張が医療環境の向上につながるのか、真摯に振り返ってみて欲しいと思います(あくまで、そいういう狙いのブログなのであれば、ということですが)。

たとえば、産科医(や外科医)の不足は医療行政の怠慢であり、自治体と国の問題です。現実に即して「妊婦は自己防衛すべし」というアドバイスは分かりますが、母子保健法を持ち出して「違法」だと責めることに何の意義があるのでしょうか。

繰り返しますが、わたしは今のマスコミがいいとはまったく思っていません。それはわたしのブログを読んでくだされば分かっていただけると思います。また、医療現場をくさすつもりもありません。

ただ、医療従事者であればどなたでも、決定的な医療過誤、事務的なことも含めた不手際、不祥事などを見聞きされた(あるいはしてしまった)ことがあるはずです。偶然、公にならなかったこともあれば、大騒ぎになったこともあるでしょう。

そうした経験と反省のもとに、今回の「新生児が死んだ」という事実を受け止め、どうすれば防げたか、どこを改善すれば医療環境の向上につながるのかを考察する姿勢があれば、一方的にマスコミを攻撃してこと足れりという風潮にはならないと思うのです。いかがでしょうか。

なお、マスメディアそのものを誤解されていると感じられるコメントもあり、そのことについても述べたいことはあるのですが、それは本題とは外れますので別の機会にいたします。
by rio (2007-09-02 00:30) 

こんた

>rio様
こういったWeb上の意見交換が平行線に終わるのは承知しています。

多くの医師は最善を尽くすべく、働いています。結果が良い時も悪い時もあるでしょう。
で、問いたいのは、
マスコミは最善を尽くすべく、働いているのでしょうか?
官僚は?
政治家は?
妊婦さんは?


自分たちは医師ですので、流れてくる情報で、いかに現場が最善を尽くすべく頑張ったのかが理解出来ます。
しかし、マスコミの方々はこれが精一杯なのか? 医療、医学にかんする認識のズレはこんなにあるのか...

自分は絶望感、虚無感と戦いながら働いています
by こんた (2007-09-02 08:39) 

iniso

なんちゃって救急医様はとても婉曲におっしゃっていますけど、私ははっきり申し上げます。初めに殴りつけたのはマスコミです。何で、暴力的で反省もない連中に紳士的に対応する必要がありますか?

他の方がおっしゃるように、事件の背景は以前からのもので勉強する時間はいくらでもあったはずですし、勉強するための情報はいくらでもネットに転がっています。素人が脊髄反射で書き散らした文章を売り物にしようという、それがマスコミであるというなら、私は大いに誤解してましたし、それをマスコミ人が是とするなら、もはや同情の余地もありません。
by iniso (2007-09-02 10:04) 

iniso

>ここで医療関係者の方から語られたことは「わたしたちは100%正しく、マスコミは100%間違っている」。この1点に尽きます。その根拠として「自己責任」「身を粉にして働いてくださる」「善意」などの発言があり、そこに賛同のコメントが連なっています。

誰がそんなことを言いましたか?

マスコミが嫌われるのは、取材をしても、あらかじめ持っていた自分の先入観に捻じ曲げることです。rioさんの誤読がまさにそれを体現しています。だから、新聞の取材に応じようにも、勝手に捻じ曲げられると困るので、みな慎重になってしまいます。

>「わたしたちは100%正しく、マスコミは100%間違っている」
記事が間違っているのを指摘しただけです。間違った記事が続けば当然マスコミの評価が下がります。間違って当然と開き直る人もいるようなので、100%間違っているもあながち嘘じゃないかもしれません。
>「自己責任」
情報が足りなければ対応が遅れるのは客観的な事実です。
>「身を粉にして働いてくださる」
忙しくて受け入れられないという話です。rioさんは100台パソコンがあれば同時に100本記事がかけるんでしょう。
>「善意」
rioさんの誤読には悪意を感じます。というか、奈良医大の勤務状況を見て善意以外の何を感じるというのか。
by iniso (2007-09-02 10:18) 

はな

 Rioさんも、古くはとりごろうさんも、どうして無理な解釈をしてこんな論理的に破綻したことをかけるのだろう。どうしても理解できません。違う言語を話しているかのようです。

 それが日本のマスコミというものでしょうか?本当にがっかりします。

 私達はあなたの先入観に満ちた解釈を聞きたいのではない。ただ、冷静に事実を報道して欲しいと、言っているのです。

 マスコミは恣意的な報道で煽って社会に混乱をきたしているだけ。そんなマスコミに存在意義がありますか?
by はな (2007-09-02 12:23) 

春野ことり

>医療の現場の方々がマスコミを叩いて気を晴らすというためのブログだったのかと、拍子抜けした感じです。

>ここで医療関係者の方から語られたことは「わたしたちは100%正しく、マスコミは100%間違っている」。この1点に尽きます。

なぜここのコメントを読んでそういう反応になるのか、まったく理解ができません。

>マスコミが突然変異的に「怒り」を表明しているのではなく、背後には同じ考えを持ったサイレント・マジョリティがいることは、謙虚に受け止められてしかるべきだと思います。

この意見には100%同意できません。
背後にサイレント・マジョリティがいれば間違った報道をしてもよいのですか。報道とはそのような無責任なものなのでしょうか。本当にがっかりです。

妊婦の自己責任に関して書いている記者さんもいます。医者がこういうことを言うと、責任放棄と非難されます。ぜひ読んでください。そして、マスコミさんには目先の売上を追うのではなく、世の中のためになるような報道は何かをぜひ考えて欲しいと思います。
http://blog.m3.com/Neurointervention/20070901/1
by 春野ことり (2007-09-02 12:28) 

道標主人

安い早いうまい、原稿は牛丼だ!

だそうです。件の氏の言葉が持つ重みは。
http://blogcruiser.so-net.ne.jp/profile/view.do?toPersonalId=000225335141

火消しにかかっていらっしゃいますし、一気に詰め込まれて消化不良か拒絶反応になっているような感じです。

文明も、言葉も、人と人との心も、衝突して何か新しいよいものが生まれればよいのですが。このような方でも、少しは関心が深まってくださればと願います。

まだ怒りを表せる人がいるうちに崩壊を止めないと。私は怒る気力が無くなってきました。
by 道標主人 (2007-09-02 23:27) 

峰村健司

そろそろ終焉ですね。

気づかなかったんですが、件のエントリ
http://blog.so-net.ne.jp/bondi_beach/2007-09-02
の最後に
「ブログが社会を動かすといわれる時がくるまで、日々精進ですね。」
と、書かれているんすよ!

「そういう日は来るかもしれないけど、それはお前とはカンケー無い話だよ!」と、思わず突っ込みを入れたくなりますた(笑)
by 峰村健司 (2007-09-03 01:19) 

SDK

>3)それではなぜ、事案の発生直後に医療従事者を断罪する
>ような「主張」が載るのか、検証がすんでからにすれば
>いいではないか、という反論もあるかと思います。
>正論を述べると、それが「一般人多数派の感覚」だからです。

これが「正論」ですか????

単に大衆に迎合した「売れる記事」「視聴率の上がる番組」
を書く・放送することが「正論」ですか?
病院や医者に対する悪意を持った発現が予想される高橋某には
取材を行い「自分たちの欲しいコメント」を手にし、
病院や医師には取材を行わずに記事を書くことが「正論」ですか?

限られた電波を使用することを許された「放送免許」をお持ちの
権力者様にはかないませんね(笑
by SDK (2007-09-03 01:46) 

fuka_fuka

2日間ですでに熾火になっているようですが。

(2007-09-01 11:03)
> それではなぜ、事案の発生直後に医療従事者を断罪するような「主張」が載るのか、検証がすんでからにすればいいではないか、という反論もあるかと思います。正論を述べると、それが「一般人多数派の感覚」だからです。

rioさんのこの発言。
「一般人多数派の感覚」を「正論」と認識し、そのような「事案発生直後の報道のあり方」を是認されているのだとしたら、猛省していただく必要がありますね。

> 「妊婦が病院に受け入れてもらえずに流産した」という事実

これは、「事実の断片」でしかありません。
犯罪報道であれば、「AがBをバットで殴打し、Bは死亡した」みたいなものです。

これだけの情報しか与えられていなければ、「妊婦はかわいそうだ、受け入れずたらい回しにした病院は悪者だ、許せない」とか「Bはかわいそうだ、Aは悪者だ、許せない」みたいな感想をもつのは、情報の「受け手」サイドの反応としてはやむを得ないかもしれません。
(慎重な「受け手」であればそれだけの情報で判断を下すことは留保するはずですが)

しかし。
Bは民家に押し入った強盗強姦犯であり、Aが帰宅したところ、Aの妻が犯され、殺害された直後だったとしたら。そしてAは、逃げようとするBを追いかけてバットで撲殺したのだとしたら。
「一般人多数派」は、「Aは悪者だ」という論調の記事を是認するでしょうか。

妊婦が妊娠24週目でかかりつけ医なし、妊娠月数(最終月経時)を虚偽申告、受入側の病院はほとんどがかかりつけ医なしの妊婦の緊急受入体制も敷いておらず、体制のある病院でもすでに予約済の妊婦の対応で全くの余裕なし、胎児はいずれにしても救命不可能状態、という情報が加わってもなお、「一般人多数派」は、「医療従事者を断罪するような主張」を(以下略

「妊婦が病院に受け入れてもらえずに流産した」というだけでは、「産経の記事の論調」のような価値判断を下すには、明らかに 事 実 が不足しているんです。
そこでrioさんが想定された「一般人多数派」の反応は、必要な情報が不足しているゆえの「誤作動」にすぎない、と考えざるを得ない。
そのような「一般人多数派」の反応を正当性のよりどころにするというのはどういう感覚なのか、と。

「妊婦が病院に受け入れてもらえずに流産した」という事実だけで、「病院側を非難するに足りる情報として足りている」と判断する報道従事者がいるとすれば、頭がよくない(情報分析力というものがまるで欠けている)というほかない。
その事実だけでは不足していることを承知の上で、あえて病院を非難する論調や見出しを是認する報道従事者は、公平性、公正性というものに関する健全な常識を失ってしまっているというほかない。
そんなふうに考えています。
by fuka_fuka (2007-09-03 16:00) 

fuka_fuka

それから些細な点ですが。
「耳障り」というのは、「うるさい」「やかましい」という意味です。「障」という漢字の意味を考えれば明らかですが。
それを「手触りがいい/悪い」とかと同じような意味合いで、「耳ざわりがいい/悪い」と誤用する人がけっこういます。
でも、「耳“障”り」と漢字をわざわざ使って誤用するのは、二重の意味で間違いなので、日本語のプロとしてはあまり名誉なことではないですね。
by fuka_fuka (2007-09-03 16:03) 

元なんちゃって救急医

皆様、大変多くのコメントをありがとうございました。
一つ一つのレスにコメントを返せずに申し訳ございません。

話が通じるところ、通じないところ、それぞれでありましょう。
自分と異なる考えの相手との対話(ときに激しく)から、
「こんな考えもあるんだ」と考えていただければ、管理人として満足です。

たとえ、今は相手の考えが理解できなくても、理解しようとする気持ちは持てると思います。

異業界の相互理解が進むことを願って止みません
by 元なんちゃって救急医 (2007-09-03 23:01) 

某医学生

いままでの記事を読ませて頂きました。
また、医師として働いていないですが、病棟実習で先生方の働きぶりを見ていつも思います。皆プライベートもなく必死で働いている。。医師としての医師法で定められた義務を果たそうと。

病棟実習でまわらせてもらっていて思うことは、患者さんの最初の問診の重要さ。問診だけでたくさんの重要な情報が詰まっています。
患者さんからの情報が故意でなくても間違うことは、やはり誤診を招くと思いますし、そのことで緊急度の判断の誤りも生じる可能性はあります。
決してただの怠慢でたらい回しになることはないと思います。
母子保健法を持ってきて患者さんを責めているわけではなく、法として規定されているほど重要な情報なのだということだと思います。もちろんこういうことが続くことは悲しいことだとおもいますが、一番ははこういう状況であることだと思います。
医者は決して神様ではありません。医療なんて結局は統計学です。必要な情報がないと診断なんてできません。確率でしかわからない中、100%をもとめられていると思います。それでも、医療を行うという重い責任があることなんて、医師の方々は、研修医の頃からの様々な経験から重々に感じてらっしゃると思います。
by 某医学生 (2007-09-29 00:21) 

勤務医です。  

学生さんへ 「医療なんて結局は統計学です。」とありますが、
医療は統計学で 表現する試みは できると思いますが、時計学ではありません。
EBMなどで この症例の 診断、治療の ある選択肢が正しいと考えられる確率は これまでの知見の統計データからすれば 無理に当てはめれば 何%くらい と推定できる とかいう 考えでもっているのかな と推測しました。
実際の医療は 99%くらいまでは そんなことは していません。 EBMとか 医療判断学の 試みとしては よいのでしょうが。

統計学も 直感とか 直観を 客観的に記述する方法論だといえば ある面では そういっても良いのかもしれませんが。

何か 非常に違和感がある と思いましたので 一言述べました。
by 勤務医です。   (2007-09-29 08:02) 

元なんちゃって救急医

>某医学生様

現場に出ていないと、各エントリーの内容は、ちょっとつかみにくいかな?
とも思いますが、いかがでしたでしょうか?

「問診」・・・ときに重要であり、ときに重要でありません

このあたりのバランス感覚を、各エントリーから感じていただければ幸いです。

がんばって、勉強してください。
by 元なんちゃって救急医 (2007-09-30 07:17) 

某医学生

コメントありがとうございました。
軽率な発言をしてしまい申し訳ないです。
これからも、様々に人の意見を聞いて成長していきたいと思います。
by 某医学生 (2007-09-30 23:49) 

kupar

記者といっても、専門教育を受けたわけではなく、見よう見まねで記事を書いているだけ。医療関係記事というと感情的で、医師と病院はいつも悪者、患者はいつも被害者という書き方になるのは、素人だからだろう。このrioという人もしろうとですね。医師免許をえたら「権力者」で、権限を国からもらったと思い込むし、多くの一般人が喜ぶ記事が正論だと言うし。妊婦が病院に受け入れてもらえずに流産したという事実を知ると、why, howと考え、調べることをせずにまず「怒り」がわく、とても立派な素人なわけです。
by kupar (2008-10-28 22:50) 

taku

私が医療側の当事者だったら、何件も問い合わせているが、見つからないと言われたら、受け入れる方向で最善の努力をします。
これが患者を救いたいという、心情というものである。

私ががマスコミ関係者だったら、19件の医療機関を訪問してから、記事を書きます。
記事を書くことで、医療側と患者側の問題点を指摘し、良い方向に進めるという努力をします。

ようはこんな事が起こる問題を、抜本的に見直さないといけないのに、感情的になって文句の吐き出しあいをする、こういうブログは無くなればよい。特に医療関係者のやってられねーは、醜い。
医師としての誇りなんて、まるでなくて、ただの勤労者になっている。本当に憂えるならば、もっと上部団体をうまく使って、医療界の改善もしなくちゃいけないし、専門分野で、組織の中身が一般の人にわかりにくいだろうから、なおさらである。自分の業界の庇護ばかりが目立つなー。
自ら医療業界の悪いところも、メスを入れるべきだと思う。医療側の人間総てが、力を出し切っているなんてあり得ない。義務と感じられなきゃ、医師なんてやる資格ないですわ。

それは報道する側も同じ。正しいことを報道する!義務だよ。当たり前だよ。出来ません?さっさと辞めなければいけない。
他社のマスコミは批判するが、自社の批判なんて聞いたことないし。ひどいもんだなー。

医療側も報道側も、どっちもこっちだねー。
私はあきれています。



by taku (2008-11-03 02:15) 

都筑てんが

10リットルまでの水しか入らないバケツには、11リットルの水は入りきれません。

1リットルの水がこぼれてしまった事で、周囲の人間が「なんだこのクソバケツ!」と足蹴にしたら、

バケツが凹んで、10リットル入れられたはずの物が、9リットルまでしか入らなくなりました。

…っていうのが、今の日本の医療崩壊(ていうか、マスコミによる医療破壊)の現状。

教訓とかそういう以前の問題。

…。
……。
………。

…マスコミの医療破壊は大成功ですね。
http://punigo.jugem.jp/?eid=500
http://punigo.jugem.jp/?eid=495
http://punigo.jugem.jp/?eid=491
by 都筑てんが (2008-12-25 20:53) 

通りすがりの医学生

非常に今更ではありますが、感情的な議論は意味がないということなのでロジカルに整理してみましょう。

まず、医療関係者が何に対して怒っているのかですが、


産科医不足のために、医師個人あるいは病院がどれだけ努力しようとも受け入れ不能な状態になる。
そして産科医不足は医師の力では改善しようがない、行政レベルの問題。
それなのにマスコミは産科医がどれくらいの時間働いているのか、などの事実を伝えずに(ネットですらいくらでも伝わってきますよね)「原因は医者、病院の怠慢」で片付けていること。(医師の努力の事実を完全無視、行政などほかの原因を完全無視)

そして医療をよくしようというものでなくただ医師を叩くだけの報道によって世論をあおって、医療崩壊を進めていることにマスコミが無頓着であり、様々な事件を経てもその姿勢が変わらないこと。

この2点に尽きると思います。




ではRioさんのコメントに対する見解を。


>その後の検証報道などについて、どのメディアがどういう記事を書いたか、覚えている人がほとんどいないのが実情ではないでしょうか

まず検証報道がされているのか疑問ですが、されていたといてもその通りでしょう。しかしその検証が次回以降の似たようなケースに全く反映されていません。それでは検証していないととられても仕方ないのでは?


>それが「一般人多数派の感覚」だからです。
多数派の感覚と、事実あるいは正しいこと。これらは違うものですよね。マスコミはどちらを報道するのが正しいのでしょうか。そもそも「感覚」という表現を使うことは非常に危険と感じます。マスコミは正確な客観的事実を報道し、それを見てどう感じるかは個人の自由というスタンスが正しいのではないでしょうか。記事を書くときは「一般人である自分」と「情報を世の中に発信する自分」を明確に分けるべきではないでしょうか


>マスコミが突然変異的に「怒り」を表明しているのではなく、背後には同じ考えを持ったサイレント・マジョリティがいることは、謙虚に受け止められてしかるべきだと思います。

受け止めるべきなのは誰なのか、それが問題なのです。マスコミにはその点を明確にして報道して欲しいと思っているわけです。ろくに調べもせず毎回毎回「医者が悪い」の一言で片付けられるのに怒りを感じるのです。


>残念ながら、ブログの記事は「一生懸命やってる人に文句を言うな」という感情的な主張にしか受け取れません。その言い分が通るならば、マスコミ批判もまた、してはならないはずです。おかしいですよね。

医療関係者はマスコミに関して無知なことが多いでしょうから、このようなずさんな報道になってしまうのはマスコミの努力不足と感じてこのようなブログが増えるのです。背後には同じ考えを持ったサイレント・マジョリティがいることは、謙虚に受け止められてしかるべきだと思います。マスコミにしか分からない、一生懸命やってもずさんな報道になる原因があるというのならそれを改善するか、改善できないのなら示すだけでもしてほしいものですね。


>医療従事者が「自己責任」という言葉で患者を選別したいという欲求が、いまの医療業界に渦巻いているのでしょうか?

妊婦が検診を受けていれば予期できたかもしれないし、システム的に対応も早い。つまり、妊婦がただ検診にいくだけで結果はよくなっていたかもしれない。妊娠の事実も知らない赤の他人を検診に来させるなんて医師含め「他者」にはできない。妊婦が自分で行くしかない。そういう意味でこの結果は「自己」責任だということです。


>マスコミ批判も、事案への言及も、そうした自覚のもとに行って欲しいと思います。

その自覚があるから日本の医療は総合的にみて世界でも有数のものになっているのです。マスコミにはブログで批判することと新聞テレビで批判すること。どれほどの影響力の差があるのか自覚して欲しいですね。マスコミ側の意見は大々的に報道する。医療関係者側からの意見はブログや掲示板でしか伝わらない。この状況をどうお考えなんでしょうね。
by 通りすがりの医学生 (2009-02-08 12:52) 

通りすがりの医学生

>まず、マスコミに対する怒りはもっともだと思います。医療関係者の方で盛り上がっていたブログにマスコミ側から踏み込んだわけですから、集中砲火を浴びるのも覚悟していました。

マスコミが悪いという自覚があるから怒るのがもっとも、なんでしょうかね?なぜ怒るのがもっともだと思うのか、それが一番重要なところだと思いますけどね。


>ここで医療関係者の方から語られたことは「わたしたちは100%正しく、マスコミは100%間違っている」。この1点に尽きます。その根拠として「自己責任」「身を粉にして働いてくださる」「善意」などの発言があり、そこに賛同のコメントが連なっています。

「産科医が身を粉にして働いてくださる」のは統計などからみた100%正しい事実です。勤務状況なども広く公開されています。そこまで働かなくても患者が困るだけで医師も病院もまったく困りませんから、「善意」というのも正しいでしょう。この点から見て「医者の怠慢」というマスコミの主張は100%間違っているかと思います。それが違うというのなら、9時5時で働く産科医がどれだけいるなどのデータを示すとか、ロジックで否定するべきではないでしょうか。一人もいないでしょうけどね。


>こうした主張が医療環境の向上につながるのか、真摯に振り返ってみて欲しいと思います
たとえば、産科医(や外科医)の不足は医療行政の怠慢であり、自治体と国の問題です。

行政の問題だと自覚しているわけですか。それなのになぜ「医者が悪い」と報道するのでしょうか。先述のようにそれが「一般人的感覚」だからですか?もう全く理解できません。医療環境の向上につながらないことをしているのはマスコミではないですか?


>そうした経験と反省のもとに、今回の「新生児が死んだ」という事実を受け止め、どうすれば防げたか、どこを改善すれば医療環境の向上につながるのかを考察する姿勢があれば、一方的にマスコミを攻撃してこと足れりという風潮にはならないと思うのです。いかがでしょうか。

なぜ攻撃されているのかわからないのですか?マスコミに「どこを改善すれば医療環境の向上につながるのかを考察する姿勢」がまったく見られず、医師を攻撃するだけだからですよ。医師側に「どこを改善すれば医療環境の向上につながるのかを考察する姿勢」があるからこそ、その姿勢がないマスコミを攻撃するのです。どこを改善すれば医療環境の向上につながるのかを考察する姿勢があれば、一方的に医師を攻撃してこと足れりという風潮にはならないと思うのです。いかがでしょうか。


by 通りすがりの医学生 (2009-02-08 13:23) 

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