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お返事です [医療記事]

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マスコミはいつも誰かを責めるだけ のコメント欄が、けっこう賑わっております。ちょうど100エントリー目にふさわしい賑わい方だなあと思っております。

きっかけは、マスコミ業界の方とおっしゃられるrio様から、マスコミの視点でコメントをいただいたことです。 当ブログにとっては、開設以来始めてのことでございましては、ブログ管理人として、うれしいやら、おどろきやら、それと・・・ちとびっくりでもあります。 いずれにしましても、rio様ありがとうございました。rio様のコメントに対する管理人の考えを今回のエントリーとさせていただきます。

私は今のマスコミがいいとはまったく思いませんが、こちらのブログにあるような医療関係者の方々の激高についても、それは違うんじゃないかと感じます。「マスコミ」とひとくくりにして感情的に否定することが、医療環境の向上につながるのでしょうか。

それは違うとのご指摘ですが、激高するのはあくまで医療者側の「気持ち・感情」ですので、違う、違わないという視点ではなく、この私達医療者の気持ちは素直に認めてほしいと思います。そして、なぜそのように医療者が感じるのかを考え、今後の報道のあり方を再考する一材料としてほしいと思います。後半のご指摘には、同意です。 ですので、rio様のご指摘を、rio様ではなく、サンケイの記者へ、そのままお返しします。 「医師」とひとくくりにして感情的に否定することが、医療環境の向上につながるのでしょうか? 答えは・・・・・、言うまでもありませんよね。

1)4つの視点を掲げられていますが、事案の発生直後にすべての要件を満たした万全な記事が書けるわけではありません。特に、医療のような高度専門分野は、時間をかけて検証しなければならないことが多いのです。

2)私はその努力をマスコミが怠っているとは思いません。しかし、衆目が集まるのは事案の直後のみ。その後の検証報道などについて、どのメディアがどういう記事を書いたか、覚えている人がほとんどいないのが実情ではないでしょうか。その結果、「マスコミは偏っている」という”耳障りのいい”批判だけが一人歩きしてしまうのだと思います。


3)それではなぜ、事案の発生直後に医療従事者を断罪するような「主張」が載るのか、検証がすんでからにすればいいではないか、という反論もあるかと思います。正論を述べると、それが「一般人多数派の感覚」だからです。

4)業界内の事情なんて当然分からないし、ましてや医学的知識なんて言われても、バラエティ番組でみるぐらいが関の山。そうしたマジョリティが、「妊婦が病院に受け入れてもらえずに流産した」という事実を知ると、産経が書いたような「怒り」がわくのです。道を歩いているひとをランダムにつかまえて聞いてみてください。産経の「主張」を読んでいないひとでも、似たようなことを言うはずです。

5)マスコミが突然変異的に「怒り」を表明しているのではなく、背後には同じ考えを持ったサイレント・マジョリティがいることは、謙虚に受け止められてしかるべきだと思います。

6)その上で、「怒り」が的を射ていないとお感じならば、どこがどういう事実に反しているのかを、ロジックで述べるべきでしょう

1)、2) ⇒ 私には、大変言い訳的なマスコミ側の主張に聞こえますが、ここの主張は、まあ医療にも似た側面があるとしましょう。 ただ、同じ批判でも世論への影響力が違いすぎますから、このような批判記事が、具体的に世論にどう影響し、医師の行動にどう影響するのか、真剣に考えてほしいと思います。的外れであればあるほどそれは社会へ害悪を巻きちらかしているだけだと思います。 マスコミの方々にはそういう自覚はあるのでしょうか??? 的外れな医師バッシングの報道は、マスコミが思っている以上に医師の心へ悪影響を及ぼしている可能性が高いことを真剣に感じ取ってほしいです。 同時に、メディア情報を鵜呑みにすることしかできない一般の方もたくさんいます。センセーショナルな興味本位の医療記事で、そういう人たちに変な医療不信感を植え付けている罪深さも自覚してほしいと思います。そういう思いを、マスコミはいつも誰かを責めるだけのエントリーには込めて書いたつもりです。

3)、4) ⇒ 「多数派の感覚」が元にあって(原因)と「マスコミの主張」がある(結果)みたいな主張ですね。私は、それはおかしいと思います。 これら二つは「相互作用」の関係ではないですか? 今回の一件で奈良医大に多数の苦情の電話が入ったのは、マスコミの主張が原因で、多数派の感覚が結果ではありませんか? 今回の奈良医大は、報道被害者ではありませんか?

5)、6) ⇒ そういう世論であることは、それなりには受け止めているつもりです。 私は、医師側の気持ちも考えて、心ある報道をしてほしいと願うのみです。

残念ながら、ブログの記事は「一生懸命やってる人に文句を言うな」という感情的な主張にしか受け取れません。その言い分が通るならば、マスコミ批判もまた、してはならないはずです。おかしいですよね。

ご指摘の通り、コメントをいただいた私のエントリーは私の感情をこめて主張したものです。 「感情的な主張を行うこと」と「マスコミ批判をすること」の両者に直接的な因果関係は成立しないと私は考えますので、この主張にはお答えできません。

もう一点、今回の事案で女性に主治医がいなかったことについて、「自己責任」という批判をされていますが、これは医療従事者としての存在価値を自ら否定している発言ではないでしょうか。医療従事者が「自己責任」という言葉で患者を選別したいという欲求が、いまの医療業界に渦巻いているのでしょうか?

勘違いをさせてしまう表現だったようで申し訳ありません。 私の表現したかったことは、私個人の意見としてではなく、マスコミの意見として「患者の自己責任」について社会に問いかけることをしないということを問題視しているのです。 3)の主張でいくならば、自然とメディアの意見として出てきてしかるべきでないですか? ネット上や身近な会話の中で、患者の自己責任問題の指摘が出ているはずですから。つまり、患者の自己責任を問う声は「サイレントマジョリティ」ではないのですか? 少なくも、「医療施設個人攻撃」よりメジャーではないですか? でも、確かに面と向かって、言いにくいことですよね。それはわかります。マスコミは、「わかってるけど、こんなこといっては、非難ごうごうだからやめとけ」その程度のレベルでないですか? 違いますでしょうか? 存在価値、選別云々の主張については、まるで検討違いですので、ご理解の程よろしくお願いします。

医療従事者は、国家から権限を与えられた「権力者」です。そのため、常に結果を問われ、厳しい監視と批判にさられるのは宿命とも言えます。それと引き換えに、日本のみならず世界的に通用するステータスを得ているのです。マスコミ批判も、事案への言及も、そうした自覚のもとに行って欲しいと思います

これは、なかなか示唆に富む発言で興味深いです。 法律の専門家でありますpsq様からもコメントをいただいておりましたが、私達にとっては、マスコミが「権力者」です一個人や一企業を、マスコミ自身の意図を持った「報道」でつぶしてしまうことができるわけですから。 厳しい監視と批判だけでは、人は良くなりません。つまり、ひいては社会は良くなりません。マスコミが医療をつぶす背景が大変よくわかりました。 「厳しい監視と批判にさられるのは宿命」とマスコミという考えに基づいて医療報道を続ける限り、医者は減り続ける一方でしょう。 また、そこまで言うなら、我々を納得させるだけのさすがプロと言わしめる的を得た批判を我々にやっていただきたい。

最後になりましたが、本ブログに貴重なコメントを頂き本当にありがとうございました。自分自身もマスコミ報道について考えるいいきっかけをいただいたと思います。当ブログの本来のコンセプトは、若手医師への役に立つ医療のノウハウを伝えることです。その合間に、管理人の気まぐれでときどき医療報道記事をベースにして自分の意見を語るだけのブログです。従いまして、これ以上のマスコミの方とつっこんだ議論を続けるのは控えさせていただきます。なにとぞご了承ください。


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コメント 14

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僻地の産科医

わたし、やっと問題点が分かってきました~(^^)!!!!
なんか、なんら医学的に問題ないと思われるのに、
なんでみんなこんな怒ってるかわかんなかったんです。

流産とか死産は防げないし、
最終月経、ごまかされたらどうしようもないし、
トリアージ的にも問題ない選択。
結果的にも、最初から最後まで聞いても、
問題点は24週だったというだけ。
(しかも最終月経ごまかされたらどうしようもない)

みんな、搬送できなかった体勢に怒ってるんですね!
謎が解けました(^^)..。*♡
産科医としては、「参加している授業で、延々、欠席者が多いからっ」
って怒られてるみたいなものだったわけです。

っていうか、そうならそうと言ってほしかったです(>▽<)!!!!
医師不足とか、勤務医不足を放置してきた厚労省に怒るとか、
産科叩きを容認するから、みんなしりごみして辞めちゃうとか、
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/09/96_edee.html
まじめに奈良に残っている産科が少なくって、
産科医は75人くらいしかいないらしいし、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070831-00000119-san-soci
搬送先なんていっつもみつかんないみたいだし
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200708310082.html
なんか去年アレだけ大騒ぎしてほったらかしみたいだし、
http://www3.nhk.or.jp/knews/news/2007/09/01/t20070901000018.html
ついでにいえば、周産期センターどうこうなんてどんどん話しが縮小してたし、

なんだ!行政のだらしなさに怒ってるなら、そういえばいいのに。
ごっちゃにしないで欲しいです。混乱してるんですね。
新聞も、現場工事の人たちたたいてもしょうがないのと一緒なのに。

でも良かったです。
みんなが本当は行政たたいてるんだって分かったので、
もうちょっと産科頑張れそうです(^^)。
by 僻地の産科医 (2007-09-01 19:16) 

僻地の産科医

あんまりすっきりしたので、私もブログエントリ、たててみました!
by 僻地の産科医 (2007-09-01 19:19) 

psq

表現を借用すれば、マスメディアは、憲法から報道の自由・取材の自由という「権利」を与えられた権利者(権力者)になりますかね。
権限=Authority/Power(力)は、誰かから与えられて初めて生じるが、権利=Right(正しさ)は、国家・憲法以前に存在する。
強いはずです、だからこそ、その権利行使には慎重でなければならない。

これは法律論ではありません。
単なる屁理屈、あるいはこういう見方も出来るという例示ですが。
by psq (2007-09-01 19:48) 

rinzaru

医師に権力くれるんですね。
ありがたいです。
やっとマスコミの方と同じ土俵に上がれます。

>なんちゃって救急医様
こういう皮肉は今回で最後にします。
by rinzaru (2007-09-01 22:51) 

rio

>救急医様

前の記事に再コメントをつけてしまいましたので、詳しくはそちらを読んでくださると幸いです。

こちら補足だけ。まず、わたしは実体験からも、マスコミは主権者の手から離れてしまった「権力者」だと思います。

医療への不信感は、第一義的に、医療業界・医療行政の体質に根ざしているものです。医者不足も同様です。

日本の医療制度は、どのような立場の人間であっても平等に医療サービスが受けられることを理想としています。「自己責任」という批判は、アメリカであれば納得されるでしょうが日本では受け入れられないと思います。

以上、おじゃましました。
by rio (2007-09-02 01:12) 

rio

(追記)
9月1日付朝日新聞の記事リンクを貼っておきます。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200709010045.html
1週間ほどで消えるかもしれないので興味のある方はお早めに。

現場の方が怒りをぶつける相手は、ここに書かれているような”行政の不作為”に対してなのではないでしょうか。
by rio (2007-09-02 05:17) 

消化器内科医

医療の現場では”行政の不作為”に対する怨嗟の声に満ちています。
個人レベルの愚痴から、医師会をはじめとする各種団体の公式の声明
まで含めて、医療行政に対する批判・改善策の提言は繰り返しなされて
います。
医療問題に興味を持っておられるマスコミ人が、そんなこともご存じない
ことが本当に残念です。

一般人にとっては、報道されないことはしばしば存在しないも同然です。
わたし自身も医療以外の問題についてはマスコミ頼りです。
”社会の木鐸”たるマスコミに期待するしかないのです。

報道当初は不正確になるのは仕方ないにしても、情報が出てきてからも
姿勢がかわらないのは、ある意図をもって誘導(視聴者に受けのいい
医師叩きへ)しようとしていると批判されても仕方ないでしょう。

奈良医大が調査した当日の当直日誌を公表した後も、現場の医師を
批判する報道がつづくのはなぜでしょうか。
普通に読めば、知識のない人でも状況が想像つくんじゃないでしょうか。
栗林中将指揮下の硫黄島守備陣に向かって、
「どうして守り切れなかった!もっと頑張れたはずだ!」
と批判するようなものです。
感情的な表現になりますが、悪魔の所業というべきでしょう。

まあ、rioさんの出されたリンクの記事自体に対する反応は鈍いでしょうね。
主犯は別にいますし、そのような対応になる事情も医師ならばおおよそ
想像がつくからです。
(奈良県の医療行政が水準以下だとは思っています。念のため。)
by 消化器内科医 (2007-09-02 10:18) 

腎臓内科医

rioさん
「自己責任」という指摘に対して誤解されているので再度記します。

わが国では自己責任を果たしていない人でも現に平等に医療は受けられるし、誰も拒否しないのです。今回の場合だってそれが理由で搬送できなかったわけではありません。
ただし悪い結果の責任の一端は当然負うべきだと言っているのです。
これはアメリカだろうが日本だろうが医療制度とは関係なく成立する論理だと考えます。
by 腎臓内科医 (2007-09-02 11:35) 

ヤブ救急医

rioさん

「どのような立場の人間であっても平等に医療サービスが受けられることを理想」というのはわかります。この妊婦さんは妊娠しているにも関わらず、理由はわかりませんが今まで一度も受診をされていなかったそうです。医療保険の有無やその他で選別しているわけではありません。この方が自分の意志で来院されなければ始まらないのです。流産になる理由は色々ありますから妊婦さんの自己責任で一括りにできないどうしようもない部分も確かにありますが、お腹の子供が大事であれば、やはり然るべき方法で自分の体調を管理すべきだと思いませんか?病院を受診されればそのお手伝いはできるのです。しかしそれをしていないわけですよ。私たちが言っている「自己責任」とはその点だと思います。
by ヤブ救急医 (2007-09-02 13:19) 

psq

rioさん
矛先が行政だというのは共通理解だと思います。
マスメディアが、その正しい矛先に向かってくれればいいのに、そうなっていないからマスメディア、ひいてはその背後にいるであろう国民(より特定すれば聞き分けのないな患者)に反射的に反論するのだと思います。

「おじゃましました」という表現だと、二度と現れないように聞こえますが、その必要はないと思います。
マスメディアの登場を歓迎しているのです。

仮に今後はコメントとして現れなくてもマスメディアの一員として、そういう方向に持って行ってくれれば、それこそ権力(=行政)の批判と改善につながる公器として、医療側は納得しマスメディアを評価すると思います。
by psq (2007-09-02 14:05) 

あつかふぇ

rioさん
需要と供給という言葉を中学校の社会科で勉強されたと思います。
需要が多くて供給が少ない場合、売り切れます。
そして算数が得意なマスコミさんなら、お分かり頂けると思いますが
それでも需要が多くなる場合、値段が高騰します。
値段が高騰しない場合は、「取り合い」になります。
これは力がある人と手に入れる方法をよく調べた人の勝ちです。

さて、おうよう問題です。
医師不足で患者過剰の場合、だれでも平等にサービスが受けられるでしょうか?
わかるかな?
by あつかふぇ (2007-09-02 14:35) 

Taican

rioさんへ

一般の方はこう思われるのでしょうね。予想はしていました。しかしこの妊婦さんの自己責任は胎児に対する保護責任義務を伴います。これを怠ると妊婦の倫理が問われませんか?患者を選別したいという欲求がある訳で書いたものでもありませんし、日本では受け入れなられないというのは納得できません。
国民皆保険制度で国民の健康が国によって保障されている安心感から自分の体は自分で守る、つまり検診、定期的な健康診断、妊婦の受診、節度ある生活パターンの構築、健全な食生活を忘れては困ります。
医師の存在価値を自ら否定している訳でもありません。アメリカでは納得できるが日本では?というところに日本人の甘え、つまり行政が何とかしてくれるという甘えがあると思います。
by Taican (2007-09-02 17:54) 

Gomten

こういう医療体制になって、こういう問題がおきていて、
日本人も「自己責任」に対して考える時期に来ているのでは?
(おそすぎるよ、とかそういうのはおいといて。)
by Gomten (2011-06-23 04:14) 

通りすがり

11/19の朝日新聞のbe on Saturdayに寺沢秀一さんの記事がでています。「怒ったのをみたことがない」、大声をださない、ようにしているそうで、ERのイメージが変わりました。
by 通りすがり (2011-11-19 09:11) 

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