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謎の両肩痛 [救急医療]

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最近、医療関係者以外の方々も多数訪問してくれるようになって、アクセスも増えました。嬉しい限りです。とはいうものの、本来のこのブログの趣旨は、時間外診療や救急初期診療の場における診療のピットフォールなどを語り合うための情報の提供の場であると考えています。

そこで、今回のエントリーは、その原点に立ち返ったものとしてみたいと思います。

それでは、本日のお題です。

診療の第一歩は、患者の主訴である。主訴とは、患者が困っていることと言い換えてもいい。つまり、患者は、その困っていることを何とかしてほしくてそのために病院へやってくるわけだ。だから、当然、診療の第一歩は、患者のその主訴を手がかりに始まるわけだ。 では、この症例はどうだろうか? 症例を提示する。

42歳 男性  主訴 両肩痛

元来健康。職業は、建設業で、現場は山中であることが多いとのこと。現在通院中の疾患はなく、定期内服もない。独身。見た目は、よく日焼けしており、がっしりとした筋肉質、スポーツ刈りの頭で、表情は明るい。海外渡航歴はない。そんな男性が、この5日間続く両肩の痛みを訴えて、時間外診療を受診した。特に体動時に痛むようだ。この数日間、なんとか痛みを我慢をしながら、仕事をしていたが、どうにもこうにもならんということで、仕事を早めに切り上げて、17時に時間外を受診した。

来院時バイタル 血圧100/68 脈112 体温 39.8 呼吸数 19 SpO2(room) 98  看護師トリアージのECG: ST上昇なし。 洞性頻脈。見た目は、とても元気と看護師の印象。

とりあえず、問診を始める前に、肩を触ってみた・・・・。 熱感がある。圧痛がある。 でも、水泡を伴う皮疹とか、皮下出血があるとか・・・・いわゆる地雷的な壊死性筋膜炎とかではなそうな印象だ。

問診を続けた。 全身倦怠感はあるも、感冒症状や、頭痛、嘔吐、呼吸困難、腹痛、背部痛など、発熱とリンクする身体症状は問診から、何一つつかまらない。発熱があるなんて、本人にしてみたら、想定外で、ここで言われて初めて気がついたという。しいて言えば約10日前に、下痢があり近医を受診し、感染性胃腸炎といわれたというが、その後下痢症状は消失している。

身体診察をした。肩以外の所見がでてこない・・・・。 頭、喉、首、胸部、腹部、背部、四肢、神経学的所見、全身の皮膚などくまなくみた・・・・何もない。いや、何も見つけられないだけなのだろか? それでもしいて言えば、右側腹部あたりに、ごく軽い叩打痛を認めるぐらいか・・・・  という感じである。

もちろん、血液、画像検査ができる施設での診察であるから、診療の最初の段階で、スクリーニング的な検査はすべて走らせてはいる。だが、ここでは、あえてこの検査情報は提示しないでおくことにする。

もし、上記のような情報を研修医が、私のところに相談にきたら、私は、真っ先に、あれはどうなの? あったの? って問います。

みなさんが、指導医だったら、どんなことを指導しますか? どんな想定疾患を思い浮かべてみますか?

一点集中で今回の答えのみを当てるというよりは、幅広く鑑別を上げて、その中に解があるというのが、思考としては、より役に立つ思考だと思います。

検査を見てしまえば、気がつくことも良しですが、問診、身体診察のみから、想像力を膨らませておくことを普段からくせにしておくことによって、地雷回避の思考が育つと私は考えているわけです。

というわけで、情報提示は、ここまでにして、皆様のコメントを待ちたいと思います。  

(2月23日 記)
皆さん、たくさんのご意見ありがとうございます。 検査データも何一つ出さず、大変失礼しました。提示情報だけで、答えが出せるものではない、考えることの重要性、難しさを、非医療者の方々にも、伝わればいいなと思って、こんな提示の仕方をしております。

<全身感染症関連>
ツツガムシ病・・・やや多数派
ライム病
レプトスピラ
敗血症
尿路感染
心内膜炎
淋菌感染
Q熱
回帰熱ボレリア
旋毛虫
エルシニア感染後の関節炎
泉熱

<その他>
横紋筋融解症
熱中症
肩の蜂窩織炎
石灰沈着性腱板炎
リウマチ性多発筋痛症(PMR)
ギラン・バレー
関節リウマチ
成人型Still病
循環器救急(IHD、大動脈緊急)

このようなものがあげられています。 さて、情報提示を続けます。この患者さん、主訴にはなかった体温39.8度が、私はすごく気になりました。 高熱の人をみたら、確認しておきたい病歴は、過去のエントリー( いけてる問診(4) )で出しましたように、悪寒戦慄の有無です。 私は、この患者さんに、単なる悪寒か、悪寒戦慄なのかを注意深く意識しながら、問診しました。その結果、この患者には、悪寒戦慄があると私は解釈しました。 「元気そうなのになあ~~、なんだか変な感じだなあ~」と思いました。

この悪寒戦慄の病歴を私が採択した時点で、患者の主訴を中心とした対応よりも悪寒戦慄を伴う発熱に対する対応が先であると私は考えを切り替えました。

即刻、私は、血液培養を取り、フォーカス探しをメインに考えました。 胸部のレントゲンは異常無しでした。私も皆様のおっしゃるとおりで、ツツガムシを想定し、全身くまなく刺し口の所見に探したりしましたが、これという所見はありませんでした。これがないからといって完全否定をするわけではありませんが。
主な採血は、WBC25000 Hb11.5 Plt10.7 CRP 19 AST/ALT 79/78 ALP 411 CPK170 検尿 特記すべきことなし でした。

小出しでごめんなさい。 ここまで来ると、疾患は見えてくるのではないでしょうか? 

(2月24日 追記 続きは後日)

(2月27日 追記)

so-netのブログメインテナンスが入るのをうっかり忘れていました。すみません。少し間延びしてしまいましたね。 たくさんのコメント本当にありがとうございます。

悪寒戦慄をキーワードに、主訴である肩痛よりも発熱の問題を攻めるほうが優先事項と判断したということ及び血液データの提示まで行っていました。

皆様方のコメントから

悪寒戦慄+発熱  ⇒ 1)感染性心内膜炎
               2)白血病
               3)肝膿瘍

などの可能性が指摘されました。実に的を得た御指摘だと思いました。私は、この3パターンすべて経験があります。そういう意味においても、「悪寒戦慄」というキーワードを重要視しているのです。

この患者さんは、元気でしたが、唯一といってもいい身体所見は、右側腹部叩打による軽い痛みのみでした。

私は、これを手掛りに、腹部エコーを当てました。すると、肝S8の部分に怪しげなlow echoicなmassがありました。 この時点で、肝膿瘍を強く疑いました。そして、引き続きの造影CTにて、画像的確診に至りました。

ここまでが、救急初期診療での仕事でした。

主訴:両肩痛でやってきた男性が、結局、肝膿瘍で入院という結果でした。

おそらく、救急外来で診断がつかなくても、どうせ入院にはなったことでしょう。しかしながら、主訴と診断の間に解離があるこんな症例に対し、いろいろ頭を使うこと事態は、知的労働としては面白いなあと個人的には思っています。 今回の謎解きの鍵は、「悪寒戦慄」を自分で引き出せたことでした。

ちなみにこの患者さんは、入院後に、肝ドレナージが施行され、SBT/CPZとCLDMの抗生物質投与が行われ、軽快しました。そのメインの治療と並行して、両肩痛については、MRIを施行され、関節内にeffusionが認められました。化膿性肩関節炎の診断のもと、穿刺もされていますが、採取が困難で、培養で陰性でした。
結局、肝膿瘍の軽快とともに関節痛も自然軽快しました。患者さんは、約3週間の入院で完全軽快退院しています。

まとめます。主訴と違うところに真の問題点が隠れていることもある。まさに、そんな教訓が当てはまる症例です。ちなみに、過去のエントリーでも、この視点を指摘しているものがあります。⇒これです

本日の教訓
主訴とは違うところに真の問題点が隠れていることもある

コメント(53)  トラックバック(0) 
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コメント 53

コメントの受付は締め切りました
moto

発熱があるのだから、感染症うたがいますね。WBC、CRP、血沈みて、生化学一般みて、WBC上昇しててフォーカス不明なら血培、はっきりしない場合は、とりあえず後日のペア血清用に血清のみ取って保存しておきます。で、あとは、もう少し経過観察(熱型とか)+フォーカスを再度全身診察ですね。画像ではなく、肉眼+理学診察。

で、まあ、何を地雷として想定するかというと、「山」というキーワードから、ツツガムシとかライム病でしょうか?
by moto (2008-02-23 09:13) 

いなか総合診療医

発熱、頻脈、筋痛、胃腸炎症状があったこと・日焼けしている仕事をしていることなどより、脱水からの横紋筋融解症や熱中症を疑います。したがって水分はとれていたのか、食欲があるのかどうか、尿はでているのか・色はどうかを質問します。感染症も否定はできませんが、ツツガムシ病では、皮疹やリンパ節腫脹、刺し口など身体所見が何か見つかると思います。レプトスピラの軽症のものは明らかな所見が見つかりません。
by いなか総合診療医 (2008-02-23 11:55) 

安達太良

わかりません。
炎症による熱としては、血圧が低い??
両肩の体動時痛?

皆さんお悩みのようで、コメントの書き込みも、ゆっくりです。

整形外科医としては、
両肩の蜂窩織炎で、ベースに高尿酸血症。
あるいは、両肩同時発症(!!!)の石灰沈着性腱板炎!

むりやり、くっつけました。あとは、浮かびません。
by 安達太良 (2008-02-23 12:22) 

physician

両側という事でsystemicな病気を考えます。
既に出ていますが、脱水からの横紋筋融解症や熱中症とか。
他には感染症や自己免疫性のもの等。
感染性であれば、sepsisですかねぇ。原因は『右側腹部あたりに、ごく軽い叩打痛』だとすれば尿路系?
自己免疫性であれば、リウマチ性多発筋痛症でしょうか?あるいはPM/DM。

感染性胃腸炎後に筋肉に症状が出る病気って何かありましたかね?
ボツリヌスとか、症状が合わないですがギラン・バレー?
by physician (2008-02-23 12:49) 

山口(産婦人科)

 ツツガムシ病(疑い)罹患者でした。大学6年の時、キャンプに行って2週間後くらいに40度の発熱持続1週間。抗生剤(セフェム系)無効で1週間自宅で苦しんだあげく、受診したら即日入院しました。その後も1週間熱が下がらず、ミノマイシン点滴を開始したとたんに劇的に改善して退院。(ちなみにツツガムシ抗体なんて、特定の大学でしか調べられない時代)

 でもその時の経験から言って、刺し痕はあると限りません。私の時にゃ見あたりませんでした。リンパ節は一個だけ腫脹し、生検したけど病理所見では決定打なし。
全身倦怠感はあったけど、筋肉痛は感じなかったなあ。でも、仕事場山中、発熱、とくるとやっぱり自分もかかったこれを疑いたくなります。熱があるのに無理して動いていたら筋肉痛も来そうだし。

もちろん脱水による横紋筋融解なんてのも否定は出来ませんが、日常的に肉体労働に従事している人が、そんなドジを踏むかなあ?

自己免疫性疾患はこの年代の男性には稀だと思いますが、絶対ないとは言えませんね。
by 山口(産婦人科) (2008-02-23 13:27) 

kinmuiです。

たけしの怖い医学では、関節リウマチであったようですね。。。
朝のこわばりでしょうか?
しばしば合併する 他の自己免疫疾患で 診察では気付かないものというと
乾燥症状とかですかね。。。

RAの男性患者は 40-50歳代は普通だと思うので。
by kinmuiです。 (2008-02-23 14:57) 

perrito

初めて書き込みします。バイタル的にはpre-shock状態に近いことが伺われ、見た目に比して重篤な状況かもしれません。発熱もあり、sepsisの状態となっているのでしょうか。山中での仕事が多いということで、やはりリケッチアやレプトスピラの可能性が高いのかな〜。前者を考えて皮膚所見がないか再度確認するでしょう。両肩の体動時痛ということから、炎症のフォーカスは軟部組織というより肩関節腔内でしょうか。飛躍しすぎかもしれませんが、心内膜炎や淋菌感染の可能性も想定し病歴と診察所見を確認するかも。
by perrito (2008-02-23 16:00) 

かつお

はじめまして。医学生です(0^0^0
いつも、楽しく記事をよませてもらってます。
あ、ぽちっと押しておきました☆

僕は普通の膠原病は考えにくいと思います。突発的な耐えられない痛みが5日前からという時点でそう判断しました。よってPMRが一番考えられるかと思います。

やはり、発熱、関節痛、筋肉痛の出現形式から感染症を疑い、ツツガムシ、Q熱 ライム病とか回帰熱ボレリア、レプトスピラ系か思います。
一週間前の下痢はそれらのいずれかの菌を刺されたり、経皮感染したのではなく、なんらかの形で経口感染した!?とか無理やりこじつける・・・のはいけない姿勢ですね(笑い)

元気な男性とか言うので、新たな性感染症とか!?
整形外科の先生!そんな性病ありますか???

とりあえずPMR疑いで血沈、CRPに注目し、感染症疑いでペア血清と血培、尿出します~!!
これからも記事の更新たのしみにしてます(^^
by かつお (2008-02-23 19:50) 

いなか総合臨床医

PMRは、高齢者の病気で、側頭動脈炎の合併がなければ38℃以上の発熱を合併することはないとされています。ですから鑑別の第一に挙げるのは?と思います。
by いなか総合臨床医 (2008-02-23 21:03) 

moto

横紋筋融解症ですかあ。5日間の筋痛って亜急性の経過あるかなあ?激しい運動直後か翌日に褐色尿じゃないでしょうか。
自己免疫疾患でいうと、まずRAではないですよ。「朝のこわばり」ってのは、遠位、手指からはじまるもんです、確か。むしろ、近位筋では、多発性筋炎なら考えうると思います。
寄生虫でたしか筋痛訴えるのあったと思ってしらべたら、ブタやクマの生食でうつる旋毛虫ってのがありました。何かへんなもの食べたんでしょうかね?
by moto (2008-02-23 22:11) 

元なんちゃって救急医

いろんなご意見をありがとうございます。ここは、ひとつ、主訴にこだわらないという発想も視野に入れてみてください。
by 元なんちゃって救急医 (2008-02-23 22:18) 

ミヤテツ

感染症(試験対策等には重要だけど、頻度の低いもの)
 ツツガムシ病(季節があげられていないのでシーズンではない)
 チフス(海外渡航歴ないので、日本ではまずないか)
 積極的に示唆するものはありません。
最後の「なんちゃって救急医」先生のコメントから、甲状腺機能亢進状態を思いつきました。
 
by ミヤテツ (2008-02-23 23:06) 

moto

主訴(両肩痛)にこだわらないというと・・両肩痛であって、実はそうでない。。
ひょっとして、Kernig徴候や項部硬直といった、髄膜刺激症状を確認するとか?
by moto (2008-02-23 23:09) 

元なんちゃって救急医

もうひとつ、季節は秋から初冬ということで、熱中症とは無縁の時期ということにしておきます。
by 元なんちゃって救急医 (2008-02-23 23:13) 

perrito

やはり淋菌感染症にこだわります。sexual activityに関する病歴にフォーカスをあてます。尿道症状も再度確認します。可能な範囲で肩関節液の穿刺を行いグラム染色を行います。GN 双球菌を認めたらほぼ確定と考えます。
by perrito (2008-02-23 23:26) 

haru

髄膜炎も悩ましいと思うけど、秋から初冬と言うことでツツガムシに1票!
でも40代男性で血圧100/68と低いのがちと気になります。 
by haru (2008-02-23 23:29) 

元医者

何時も楽しく読まさせていただいています。もう臨床を離れてしまって長いので、いつもは勉強させていただくだけなのですが、今回はゲームっぽくて(失礼)ちょっと参加したくなってしまいました。

一週間前の下痢を考えれば、エルシニア感染後の関節炎と言うのはどうでしょうか?いわゆる泉熱のようなもの?しかし見落としても緊急性はなさそうですね。。。成人型Still病とかもありえますが、いずれにしても救急で見落としてはいけないと言う感じではないので、違いますね。

話は変わりますが、今、臨床の先生方が直面されている切実な問題、本当に心が痛みます。政治家を選ぶ民度の問題だと言ってしまえばそうなのかもしれませんが、やはり医師の側からもいろいろ発信していくことは重要だと思います。私などには何も出来ませんが、応援だけはさせていただきます。
by 元医者 (2008-02-23 23:41) 

僻地外科医

頑健な男性というイメージからは第一に痛風を考えたいかな?
 足指で同様の症状が無かったか聞いてみたいです。

山に入ったという情報からはライム病、ツツガムシ病などが鑑別に上がりますが、ライム病ってそんな高熱でない印象が・・・(北海道では結構います)

それ以上に心配なのがBP100前後、脈搏116とショックバイタルっぽいところですね。自覚症状にはとぼしいですが、循環器救急(IHD、大動脈緊急)のチェックは怠りなくやりたいかなと・・・
by 僻地外科医 (2008-02-24 01:04) 

僻地外科医

 あ、失礼。ライム病などマダニ咬症関連疾患はほぼ却下ですね。

 マダニは産卵期・脱皮期のみに吸血行動を行いますので、一般的には4~7月前後にのみ見られる疾患です。

 ツツガムシ病だとすればマダニではなくホントのツツガムシによる媒介かと思います。
by 僻地外科医 (2008-02-24 01:09) 

ER

感染症に伴う横紋筋融解を考えてみたいですね。
尿量・色が気になります。
by ER (2008-02-24 02:07) 

pi

日々勉強させていただいています。初めて書き込み致します。

ツツガムシかと思いましたが、主訴を横において
悪寒戦慄伴う発熱+自覚症状ない+右側腹部殴打痛+検査データ
だけをとると肝膿瘍か急性化膿性胆管炎でしょうか。
by pi (2008-02-24 11:17) 

tip60

これまでROMって、勉強させていただいてきた整形外科医です。
うちにも来そうな患者ですね。おそろしい。
最初は、独身、山中の肉体労働からつつがむしと性感染症を筆頭に、関節炎をおこす全身感染症を疑っていましたが、検査値は炎症顕著でバイタルもseptic shockに近いですね。右側腹部であまり痛くないから、脾臓か肝臓の膿瘍を疑いますが、原因ははっきりしませんね。
たしかに菌血症で、頸とか腰とかのよく使って痛んでいる運動器のいたみを訴える方はいます。
いかがでしょうか?
by tip60 (2008-02-24 11:32) 

moto

そうなると、両肩が放散痛ってことで、右腹の叩打痛・少し前の消化器症状から、肝膿瘍とかかなあ?
by moto (2008-02-24 11:49) 

Hekichin

血小板も低いですね。LCでもあるんでしょうか?
男性ですしヘモグロビンが低いのもちょっと気になります。
LC→SBPはちょっと飛躍しすぎ?
K. pneumoniaeによる敗血症でも悪寒戦慄でるんですよね。

よく分かりませんが胸部四肢の疾患はなさそうとのことで腹部に
フォーカスを絞って考え、地雷で致死的なら腸管由来の細菌感染症を
優先して検索、治療になるでしょうか。
by Hekichin (2008-02-24 12:20) 

ER

うーん、LCがベースにある方のエロモナス感染→全身性の横紋筋融解・敗血症は経験したことがありますが・・・、そんな感じではなさそうですねえ。
by ER (2008-02-24 14:04) 

東京の透析医

はじめて、お邪魔させていただきます。
いつもはROM専門なのですが、これに似た症例を研修の頃
経験したもので・・・。

Leukemia (FAB分類は今のところ不明 と)

こんなの如何でしょうか。 dataを見たからというわけではないのですが
今でも 突然の高熱症例では Leukemiaは自分の鑑別診断の
一つです。 最近はすぐにインフルエンザ チェック なんですが。

肩の痛みも 表面からわからない程度の出血なんてわかりませんもの。

まあ、稀なので ハズレだと思いますが。

とにかく 日常の外来でも一通りの検査でFocus不明の高熱は 
考え込まされています。
by 東京の透析医 (2008-02-24 15:05) 

いなか総合診療医

悪寒戦慄を伴う発熱があり、右季肋部叩打痛があり、軽度の肝機能障害を認めるので、やはり肝膿瘍を疑い、血培をとり、腹部エコーを行います。診断は肝膿瘍でしょう。悪寒戦慄のキーワードは重要ですね。悪寒戦慄があればほぼ菌血症があると診断できます。それで鑑別が感染症にしぼられます。
by いなか総合診療医 (2008-02-24 15:43) 

tip60

今日、にわか勉強した範囲では、熱源として肝膿瘍を考えるなら、原因としてはアメーバ赤痢がそれらしいんですが。。。 
潜伏期、職場環境、下痢、42歳独身は同性愛の可能性を考えるのか?
それでも、なんちゃって救急先生の”あれはあったの”というのが何を指すのかわかりません。  HIVかなあ?
by tip60 (2008-02-24 17:39) 

moto

「あれ」は悪感戦慄ですよ。
by moto (2008-02-24 18:40) 

tip60

moto先生、ありがとうございます。
'あれ'は悪寒戦慄だったんですね。読み返して、恥ずかしくなりました。
by tip60 (2008-02-24 19:46) 

元医者

昨日書き込んじゃったのでちょっとつづきを。。。血小板減少、多分anemia、これらは重症感染症の結果であってもいいですが(それはそれで結局重症)、見た目の重症感の無さ、ちょっとAST>ALTを見れば、LC様の病態を疑います。で、クレブシエラのような菌の腸管感染から肝膿瘍のような感じでしょうか。肩の痛みは放散痛かもしれませんが、クレブシエラ感染に伴う関節炎かも(昨日から感染関連関節炎にこだわりすぎてますね・・・)。もちろんleukemiaでも、病態はすべて説明可能かと思います。

でも問題は、この疾患を当てることより、このような一見元気っぽい患者なら「インフルエンザかもしれませんね」とか「流行性筋痛症かな、かぜの一種ですよ」って解熱剤と出して帰してしまう可能性が十分にあると言うことではないでしょうか?それで地雷で訴えられる。それを避けるために、全例に血液検査等するとしてそのコストを受け入れる準備はなさそう。どうしろと言うのでしょうか?

今の仕事をリタイヤしたら、田舎の診療所でお年寄りの相手でもしたいな、などと夢想していましたが、みなさんのブログなど読ませていただいていると、何だかとっても無理な気がしてきて悲しいです。
by 元医者 (2008-02-24 21:51) 

こんた

秋から初冬の原因不明の発熱、肝障害と血小板減少を見ると自分もツツガムシを考えてしまいますが、尿所見が無いですね。ツツガムシは複数例経験がありますが、尿所見(蛋白尿と血尿)は必須かなと思います。

経験的に、貧血、血小板減少を伴う、非ウイルス感染症には良い想い出がありません
重症細菌感染症との考えでしたら、IEもありですね
関節症状も出やすいし

鑑別にやっぱりleukemia
WBC分画とLDHは気になります
by こんた (2008-02-24 22:05) 

こんた

下痢があったんですね
bacterialtranslocationー>IE
bacterialtranslocationー>肝膿瘍

腹部エコー ー>心エコー ー>経食心エコー ー>全身造影CT
の順番でfocusを探していくかな

夜間だと経食心エコーが出来ないので困りますが
by こんた (2008-02-24 22:14) 

Taka

infection+sepsisであれば一般的にpancytopeniaになると思われるので、sepsisは否定的か?

末血からはleukemia+infectionを疑いたい。
もしleukemiaであれば右側腹部痛は肝腫大の影響か?

CLLはリンパ球異常による免疫不全の状態であるので重篤な感染症となりうるが、脾腫の所見がなさそうなので否定的か。

CMLはWBC3万以上になることが多く、巨脾の所見もなさそうなので否定的か。

AML M4 or M5?
by Taka (2008-02-25 00:02) 

Taka

それから、これくらいの採血データであれば、血液塗抹標本の観察でleukemiaかどうかの診断を下せるので、leukemiaが否定的であれば、類白血病+感染症の方向で検索。
by Taka (2008-02-25 00:09) 

tip60

なるほど、IEですか。貧血と血小板減少は炎症による消耗で説明つきますね。IEでも肝腫脹はおこるから、酵素上昇もOK。
あと、白血病ですか。。。 これについては整形外科的には背部痛か片側の関節炎が多いのですが。とくに小児では要注意です。
本当に勉強になります。

菌血症では私自身、頚部痛で整形外科を受診した患者を経験しました。
激しい頚部痛で、神経症状なし。炎症反応が著しく化膿性脊椎炎などを疑いましたが、MRIは正常。血液培養陽性で結局菌血症との診断でした。
あと、尿路感染の菌血症のあとに発症した化膿性脊椎炎も経験あります。これも普通の圧迫骨折と思っていて痛い目に遭いました。

なんちゃって先生の発熱と悪寒戦慄ではないですが、
安静時痛と夜間痛の有無が問診では大事と思っています。
ありきたりですが、鑑別は腫瘍、感染、膠原病、血管循環障害です。
by tip60 (2008-02-25 00:09) 

NYAO

 IEも考えられますけど心雑音がないのはどうなんでしょう?否定はできないのですが・・
 白血病は思いつきませんでした。多発性骨髄腫もありえますね。この場合CRPはここまで上がるのかな?血球貪食症候群とかHistiocytosis Xなんかの組織球系の疾患も考えたのですがそれだと白血球も低下するのが普通かな?
 やはり感染症でツツガムシ病が一番しっくり来るような・・・
by NYAO (2008-02-25 09:25) 

pulmonary

久々の訪問です。

この方のバイタルはプレショックです。
いつも研修医の先生には
「ショック+高体温」の鑑別は以下を教えています。

①熱中症
②悪性症候群(高体温、脳症、筋固縮)向精神病の開始・増量、抗パーキンソン薬の中止)
③感染症(敗血症、脳炎・髄膜炎)
④甲状腺クリーゼ(不穏、頻脈、発汗、発熱、下痢)
⑤副腎不全
⑥セロトニン症候群

後は主訴・現病歴や身体所見、検査所見から絞っていきます。
1、2、6は与えられた情報では否定的です。
SIRSの状態にはありそうです。
感染症、内分泌緊急などが疑われます。
敗血症とすればfocusとしては皆さん御指摘の通りかと思います。

時間外の検査には限界があり、不明熱にはいつも悩まされます。
ということで答え・・・

決定的なものなし(ズルイ)
by pulmonary (2008-02-25 09:48) 

old Dr

両側肩痛→動かすと痛いので関節内のできごと→敗血症で両側胸鎖関節炎を生じることがあり、それが肩痛と感じているのか?
発熱 炎症反応亢進 → 敗血症 → 重症感あまりなし → 感染性心内膜炎? 右側腹部痛で肝膿瘍 → アメーバ(過去問から)
国試的にポイントで考えるととりあえずこんなところでしょうか。まれなものははずしてあります。
by old Dr (2008-02-25 12:13) 

5年目整形外科医

初診で整形外科に来るような患者さんですね。
遅れてコメントした上でなんですが、よくわかりません。
整形外科領域で、発熱と痛みで最も注意してみているのは、化膿性関節炎の有無です。
肩関節に波動を触れるようなら、穿刺します。また、化膿性椎間板炎、化膿性脊椎炎が頚椎に起こっていないとも限りませんので、まずはX線検査で骨破壊の有無をチェック。
正直なところ、血液培養をとった上で、入院安静。抗生剤を使いながら、MRIでfocusを調べるということをする気がします。
血小板も低い、健康な成人にしては貧血も強く、肝機能も悪いので、内科の先生に肝臓を診てもらって・・・というふうにしようと思いますが、
やはり地雷を踏むことになるのでしょうか。
今回も勉強させてください。
by 5年目整形外科医 (2008-02-27 18:16) 

かつお

こんにちは。かつおです。
肝膿瘍でしたか~残念。
両肩の放散痛とか知らなかったので、今回も大変勉強なりました。
今回の事例より
冠動脈疾患とか膵炎、胆系の炎症などにもよく起こる放散痛は一般の放散痛の部位の反対側や両側にも起こりうる
ということですよね!?
これからもぽちぽち押し続けます☆
かつお

by かつお (2008-02-27 22:36) 

こんた

この肩痛はいわゆる放散痛ではなく、感染症に伴うものだと思います。

感染症患者における関節痛は、どこにでも出る可能性があります。広義の反応性関節炎と理解しています。
by こんた (2008-02-27 22:56) 

physician

かつおさん、こんたさん

横隔膜は第4頚髄神経分節領域から発生しているとの事なので、この部位の神経過敏、疼痛は横隔膜が刺激されている事を示すそうです。

最近読んだ教科書に書いて受け売りですが。
by physician (2008-02-28 00:12) 

physician

訂正します。
示す→示す事もある
ですね。
by physician (2008-02-28 00:13) 

Hekichin

肝膿瘍でしたか...免疫機能の低下する基礎疾患を
検索したくなりますね。

具体的に何か見つかったのでしょうか?

by Hekichin (2008-02-28 02:31) 

ハッスル

ありがとうございました。

肝膿瘍そのものを考えるというより、
①”主訴と主症状とは別なことも多い”
②”別なことを伝える難しさ”
③”順に検査をすると答えが出る≠結果的に必要な検査から順に行われる”
という意味で大変勉強になりました。
原発巣が特定できない重症感染症では、基礎疾患の評価、副鼻腔・深部臓器感染を考えるということを考えています。生来健康な糖尿病患者はたくさんおられますから,、陰部など着衣の下の感染症もついつい忘れがちですし・・・
by ハッスル (2008-02-28 13:44) 

Keyaki

初めて投稿させていただきます。
毎度のことですが、大変勉強になりました。
私も先日、当直中に地雷を踏んでしまいました。

AM4時頃に、糖尿病で他院通院中で意識障害で来院。
血糖値がLowなので、低血糖を考え、ブドウ糖IVしたところ意識が回復。
2回目の低血糖なので、安心していたとこと、38度の発熱。
採決上 WBCとCRPの著名な上昇があるも、自覚症状は軽い腰痛のみ。
緊急性はないと、判断し、朝の外来に回したところ
虫垂炎の穿孔で手術になっておりました・・・。

冷や汗と同時に、帰宅させなくてよかった、と心底 安堵しました。
やはり、”発熱”というのは重要なKeyWordですね。


by Keyaki (2008-03-02 16:07) 

はるる

先生、はじめてまして。
非医療者ですが以前から先生のブログを拝読していろいろ勉強させていただいておりました。
この回の「主訴とはちがうところに真の問題点が隠れていることもある」
という教訓にドキリとしましたので初めてコメントさせていただきます。
先生は以前から医師と患者の関係について言及しておられますが、
実は私も子供の病気でここ数年病院にお世話になることがとても多く、
医療者の方々と患者の関係について自分なりに感じたことを時々拙ブログに書いていました。
実はかつての自分は、医療や医師に対して大きな不信感を持っていました。それが、子供の病気で実際にお世話になった先生やスタッフの皆さんの奮闘を目にするうち
「患者の側にも、医療者の方とコミュニケーションを図ろうと努力する姿勢が大切なのだ」と思うに至り、それをそのまま書くのもなんだか押し付けがましい気がして、自分の「体験」を語るという形でブログ記事にしていました。
ところが、全く思いがけないことに、こういった内容に対して、患者さんではなく医療者の方から
「医療者に対しコミュニケーションを求める姿勢は間違っている」という趣旨の反論をいただきました。
現在、指摘をいただいた過去記事については公開をやめているのですが
とても残念で、また今後どうしたらいいのかも想像がつきません。
まずは私の勉強不足があったと反省しています。
さらには筆力が足りずに本意が読者に伝わらなかったこともあると思います。ですが今回のことは余りに唐突で、また相手の方の反応も思いもよらない激しいものだったため、私自身呆然としてしまい、説明も申し開きもできなかったことが残念でなりません。
今回の先生のエントリを拝読し、もしかしたら私の思うのと別なところに真の問題点が隠れているのかもしれない、とも感じたできごとでした。
私のような考え方は、現在の医療現場に更なる負担を強いることにつながるのでしょうか?。
長文でまとまらない内容のコメント、失礼いたしました。

by はるる (2008-03-12 14:27) 

なんちゃって救急医

>はるる様

「患者の側にも、医療者の方とコミュニケーションを図ろうと努力する姿勢が大切なのだ」

コメントありがとうございます。私は、この御意見を支持します。

ネットという環境を自分が使いこなすためには、自分の意見に対して、必ず、yesとnoの両者があるものだと割り切ることが大切だと私は考えています。

私のこの視点から言えば、一医療者から、反論が存在するのは想定の範囲内ということになります。

であらば、意見に関しては、私は私、あなたはあなた というスタンスでよろしいかと思います。

そのように考えてみれば、自分を過度に責める必要はない自らお気づきになれないでしょうか?

以上、御意見を拝聴して、私が素直に感じたことです。
by なんちゃって救急医 (2008-03-12 17:26) 

はるる

なんちゃって救急医先生

お忙しい中、早速のコメントを頂戴し大変恐縮しております。
私のような考えが医療の負担になるのなら、それは本意ではありません。
我ながら随分拙い意見だとも思ってはおりましたが、先生にご支持いただけて心から安堵いたしました。今後は、その本意が伝わるようなブログの運営を心がけて参りたいと思います。
こちらに伺うようになってちょうど半年ほどですが、これからも勉強のために度々お邪魔させて頂きます。
どうぞ先生もお体を大切に、ますますご活躍くださいませ。心よりのお礼を申し上げます。ありがとうございました。

by はるる (2008-03-12 20:25) 

はるる

先生、先日ご回答を頂きましたはるるです。

その後いろいろ考えてみたのですが、先生がおっしゃる

>一医療者から、反論が存在するのは想定の範囲内

という部分がどうしても分かりません。
もっとも

>意見に関しては、私は私、あなたはあなた というスタンスでよろしいかと思います。

ということですので、そう理解しようと思ったのですが
やはり再度ブログを書き進めることが出来ません。
批判と同時に中傷が混じっていた事がどうしても腑に落ちないのです。

うまく表現できないのですが
私のブログに頂いた反論について、どのような点に落ち度があったのか
先生が「想定された」可能性の部分をご教示いただけませんでしょうか。
お忙しいところ大変ぶしつけで恐縮ですがお願い申し上げます。

by はるる (2008-03-21 12:48) 

はるる

上記の投稿の追記になりますが

私の書いた内容に不備があるというご指摘を頂いた以上、
私には訂正したり、伝わらなかった内容についてさらなる説明をしたいと考えております。
医療者の方に心ならずも多大なご迷惑をおかけしたということでは
本意ではない、心からやりきれない思いが残ります。
ぶしつけで申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

by はるる (2008-03-21 12:59) 

はるる

先生、ご無理をお願いして大変申し訳ありませんでした。
最近の自分は少し余裕を失いがちです。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
そもそも、拙ブログにコメント、メッセージを下さるのは病気の子の母という同じような立場の方ばかりです。それでも中には「次回の診察で先生と看護婦さんにお礼を伝えたい」とのメッセージを下さった方もいらっしゃいました。自分の拙い文章からも、意を汲み取ってくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
先生のブログを拝読して勉強したこと、感じたこと、そういったものを自分なりに咀嚼して生かしていかれればなどと思っているのですが、なかなか難しく、焦りを感じていました。
事後報告で大変恐縮ですが、以前から先生のブログのブックマークをおかせていただいております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

by はるる (2008-03-21 19:46) 

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