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診療関連死法案 舛添大臣の答弁 [医療記事]

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各コメンテーターの個々の方々においてブログ主より個別にお伝えしたいことがございます。

こちらをご覧ください⇒ 謎の両肩痛 の冒頭部分です。 連絡お待ちしております。



本日、衆議院議員の橋本岳先生が、国会において診療関連死法案に関する種々の質問を、約30分の時間をかけて、枡添大臣および厚労省医政局長の方にされました。 



その光景は、衆議院TVを通してネット上で見ることができますので、本日は、それを紹介します。



<動画へのアクセス方法>

http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm?ex=VLの検索画面において、発言者名に「橋本岳」と書いて検索ボタンを押すと9件ほどヒットしますが、その中から平成20年2月28日 予算委員会第五分科会をクリックします。


医療関係者の方々は必見だと思います。 特に山場の部分と思われるところは、言語化してみました。(一部省略などあり)。 橋本議員の的確なご質問のおかげで、極めて重要な発言を大臣から引き出せたと思います。 数字は、動画での経過時間


橋本議員 12:08~

死亡という結果になってしまったことが重大な過失につながるのか?



医政局長 14:01~

ここでいう重大な過失とは、
死亡という結果の重大性に着目したものではなく、標準的な医療から著しく逸脱した医療行為であると医療安全調査委員会が認めるものと想定しております。



橋本議員 17:20~

結論というものは、明らかにでるものではないと思う。
意見が割れるということは十分にあると思う。亀田病院とか割り箸事件とかの鑑定などをみても意見が割れている。そういうときに、まず、調査委員会の報告書として、原因がわかりませんと、あるいは両論併記しかできなかった、 まとまりませんでした 



そういう結論をだすということは想定されているのですか?

そうした結論がでたときに、捜査機関へ通知するのですか?




医政局長 18:50~

専門的な調査を行った結果としても、なお、原因は不明という結論や委員の間で医学的に見解が異なり、少数意見を付記した結論というような場合も
ありえると考えています。そして、仮に、原因は不明という結論に至った場合には、原則として捜査機関への通知の対象にはならないのではないかと考えております。



橋本議員 20:10~

今の点は相当重要だと思いますが、大臣、見解を



舛添大臣 20:25~

両論併記とか原因不明の場合に、今の法律体系を考えれば、法務省的な立場で見ても、
捜査機関への通知はやらない、できない・・・できないというか・・しないという方針でいいと思います。

ただ、忘れてならないのは、片方に患者さんがいるんです。患者さんの家族がいるんです。



「なぜ、警察もうごいてくれないんだ」

「どう考えても医者のミスじゃないのか」

「不明ですませるのか」



という声が出てくるんです。



で、これに対してはね、刑事では訴追しないけれども民事で訴追することは可能です。ですから、常に我々がやっぱり国民の代表として考えておかねばならないのは、一つのテーマについてやると関係当事者の意見ばっかりが
きてるんです。じゃあ、
同じだけのメールが国民からきてますか?一通も来てません。お医者さんからしか来てません。そうすると、私達はそこも考えなければいけないので、立法の責任者としては、そういう意味で、私は、お医者さんの意見だけなく、国民
の声を聞くのが、国民の代表としての国会議員の仕事だろうということもありますので、両論併記とか不明のときには、捜査機関に通知はしない、委員かとしては、それででいいんだだと思いますけど、しかし、
それに対する不満が患者さんから出てきたときにどうするかということも我々は考えておかねばいけないので、それについては、民事訴訟という手は残ってますというお答えをとりあえずはしておきたいと思います。

橋本議員は、医師の冷静な意見を、国民の代表として、的確にご質問してくださったように私は感じました。

患者側の立場も考える舛添大臣のご意見もまっとうなものだと思いました。舛添大臣は、この質疑応答の冒頭にて、医師と患者の信頼関係が大切だ と力説しておられました。にも関わらず、この最後の方で、刑事がダメなら民事もあるよという医師ー患者間の敵対関係を煽るようなことをおっしゃてしまったのはちょっと残念でした。 



少なくも、このような方向で国がきちんと動いてくれ、もう二度と大野病院や割り箸事件のような刑事訴訟が起きないことを切に願います。



「死」という結果に対する患者の不満をなくしていくには、舛添大臣のお答えは不十分すぎると思います。



今おかれている日本全体の死生観の変容をめざすという国家的視点がなければ、根本解決にはならんだろうなというのが私の見解です。



一般の方々からのメールを待っているという舛添大臣のお言葉です。ぜひ、一般の方々におかれましても、メールで大臣の元へ届けてみてください。

舛添大臣の公式HPはこちらです。⇒ お問い合わせ



医師の心が折れて、現場から去っていかないように、是非とも一般の方々からの声も必要です。



私が、一般の方々に声をあげてほしいと思うことは、次の2点です。

1)調停機関(ADR)の充実・・・特に「死」の受容プロセスへの援助(スピリチュアルケアの制度化)

2)メディア報道の抑制・・・ 公的に歯止めをかけないと、取り返しのつかない風評被害が広がります。


コメント(13)  トラックバック(1) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 13

コメントの受付は締め切りました
YUNYUN

ここに欺瞞があると思います。

>桝添「両論併記とか原因不明の場合に、今の法律体系を考えれば、法務省的な立場で見ても、捜査機関への通知はやらない、できない・・・できないというか・・しないという方針でいいと」

今の構想では、事故調査委員会が事件を取り上げても、刑事捜査を抑制する 法的な しくみになっていないので、
警察は事故調の結論に関係なく、捜査を進めることが可能です。遺族から、せっつかれたら、警察が独自の判断で動くことはできる。
通知がないからといって、刑事訴追を免れる保障がないのです。

この点は、橋本議員も突っ込んでいませんね。
by YUNYUN (2008-02-29 08:40) 

なんちゃって救急医

>YUNYUN先生

コメントありがとうございます。
キーワードは、『刑事捜査を抑制する 法的な しくみ』 ですね。

ここをグレーにしたまま、官僚側の甘い言葉に乗せられたら、医療は終わりということですね。

法の専門家の立場からの貴重なご指摘ありがとうございました。

by なんちゃって救急医 (2008-02-29 09:35) 

puhimaru

>メディア報道の抑制

いつも的確なご意見ですが、これには賛同しかねます。
「医師に不利な報道をするな」と受け取られかねないのではないでしょうか。
事実関係が歪められている質の低い報道は論外としても、本来報道は受け取る側が取捨選択 するものだと思います。
納豆ダイエット事件でも、「バラエティ番組だから適当なこと言ってんなぁ」で済むのが当然だと私は思うのですが、これを信じる国民がいる。
これほど報道を信じて疑わない国民ですから、報道でコントロールするのが一番簡単かつ効果的であり、報道管制で状況が変わるのは確かでしょう。
しかし、全く根本的な問題の解決にはならないし、やっていることは北朝鮮レベルということになります。
答弁でも国民からの意見はないと言うようなことが書かれていますが、根本的な問題は国民の問題意識の低さ、医療がなくなるという危機感の欠如で、これを解決するような教育が必要なように思います。
即効性は全くなく、現状の打開にはつながらないでしょうが。

by puhimaru (2008-02-29 12:08) 

なんちゃって救急医

>puhimaru様 コメントありがとうございます。
>本来報道は受け取る側が取捨選択 するものだと思います。

私もそう思います。

私は、メディアに、割り箸事例と大淀病院の報道初期のあり方を反省してほしいのです。(一つの具体例として)

そして、その反省から、情報が不確実な時点で、
「病院で、人が死んだ」
ということをもって、条件反射的な反応で作られる初期報道を、まずメディア側が自粛してほしいのです。 

誘拐事件の場合、メディア側が自主規制するように・・・・です。

規制がなければ、「スクープ」として勝手に騒ぎ出したら、そのこと事態が、専門調査期間にいらぬ影響を及ぼすのではないかと思っています。

だから、専門調査を経てから、報道してもいいのではないか

という提言です。

そもそも、なぜ、メディアは
「人が死んだ」
という事象を持って、いつも大騒ぎするのか?

ここに、病気の自然経過による「死」と事故による「死」の無分別感をメディア自身が持っているという可能性を私は考えています。こういう無分別感を背景にして、メディアが「医療の中での死」をセンセーショナルに伝える。そして、それが、一般の方々の「心」の中に一つの感情として広がってしまう。

私は、そういう社会現象を懸念しているのです。

いやいや、そういうニーズだからこそ、我々は報道するだけだ という考えもあると思います。

どちらがどうだとはいえませんが、まさに、ここのところが、日本の文化背景だと思います。
そういう環境に子供の頃からさらされた人は、どんな死生観になるでしょうか?
私は、大変な恐怖感さえ持っています。

もちろん、報道しないことによる不信の増加・・・・
これもあるでしょう。

ここを前面に出せば、当然反対意見となるわけです。

私の知り合いの国会議員にもこのこと(報道抑制)を伝えてみましたが、賛同は得られませんでした。

まあ、そんなもんだろうと私は思っています。

ネット上の場というものは、何かを決めるための場ではなく、だれかを説得する場でもなく、自由に自分の考えを発言でき、自分が気がつかない視点をいただける貴重な場だと考えています。ですから、私の意見は、そういう提言の一つに過ぎないと受け取ってくだされば幸いです。


by なんちゃって救急医 (2008-02-29 12:46) 

Ring♪

はじめまして。非医療者ですが、大臣にメールしてみたいと思います(声の数も大事ですよね!)。
そこで一点、方向性に誤りが無いか教えていただけないでしょうか。何しろ素人な上に勉強不足でして、私が理解できた範囲で疑問に思っているのは、医療事故調査委員会に遺族が関わることです。これの否定→グリーフケアの充足の方が重要、しかしそれを医師をさせるのは医師不足の現状では不適という論調は的外れでしょうか(なお、委員会自体の否定ではありません)。なんちゃって救急医先生の1)と大きくずれてないのではないか、それならメールしてみる価値もあるのではないかと思いましたが、せっかく声をあげるならきちんと声とカウントしてもらえる意見にしたく、お急がしいのを承知でお尋ねしましたことお許しください。
by Ring♪ (2008-02-29 13:10) 

かつお

こんにちは。医学生かつおです。
いつも、先生のためになる記事を読み研鑽を積んでおります。
質問なのですが、
先生の記事にある
>刑事がダメなら民事もあるよという医師ー患者間の敵対関係を煽るよう>なことをおっしゃてしまったのはちょっと残念でした。 
刑事も民事もなくなるとすると真の医療ミスを起こした医師の代償は何になるのでしょうか?
ミスを起こした医師の世間の信頼の低下でしょうか?
ご返答いただけると大変うれしく思います。
自分なりに「訴訟を起こされないために」という記事を書いてみました。
http://hottingkatsuo.seesaa.net/article/87182760.html)よかったら読んでもらえると感激です。
記事の更新、毎回楽しみにしております。
かつお




by かつお (2008-02-29 13:19) 

なんちゃって救急医

>刑事も民事もなくなるとすると真の医療ミスを起こした医師の代償は何になるのでしょうか?

私は、民事はなくす必要はないという考えです。(そこは、舛添大臣と同じ)
ただ、わざわざ、煽ってほしくないなという思いから、こういうエントリーになりました。

誰もが、民事で争うことを一つの選択として持ちえるのは、必要かなと思います。

私の期待、幻想かもしれません・・・・
私は、そういう社会システム云々より、一人一人の心の持ち様に期待したいのです。そういう気づきを多くの人に持ってほしい。

それが、私がブログを書き綴る大きな動機になっています。

by なんちゃって救急医 (2008-02-29 13:34) 

なんちゃって救急医

>Ring様
「これの否定→グリーフケアの充足の方が重要、しかしそれを医師をさせるのは医師不足の現状では不適という論調は的外れでしょうか」

的外れではないと思います。是非、そういう声を上げてくださることを望みます。ただ、医師もグリーフケアにおいては、重要な位置であることは間違いないので、医師も医師以外もそういうワークに関るという論調のほうがベターだとは思います。

by なんちゃって救急医 (2008-02-29 13:37) 

NO NAME

>調停機関(ADR)の充実

1.医療に詳しい
2.遺族のカウンセリングもする
3.中立の立場

1の条件だけなら簡単につかまるかもしれませんが、
2及び3の条件も加えると、やっぱり第三者機関でということになるでしょう。
蛇足ですが、医療に詳しいの裁判官(もしくは専門の裁判所)の充実とか。
あまりにも時間が掛かりすぎてるし。
by NO NAME (2008-02-29 13:42) 

なんちゃって元医療機器SE

上のコメントは私のです。
申し訳ありません。
by なんちゃって元医療機器SE (2008-02-29 13:43) 

Ring♪

なんちゃって救急医先生、早速のご回答ありがとうございました。グリーフケアについては「医師だけに押し付けても解決しない」としました。もし遺族慰撫のために委員会を設立するなら名称や目的を変えないといけないですよね。そうすればADRとしての意義が出るのでしょう。遺族が真実によって癒されるとも限らないのは裁判で実証済みなのですから、真実追求の委員会とは必ずしも目的が一致しませんもんね。どっちつかずでは結局何の役にも立たず、税金も医師のマンパワーも時間(その間にも医療崩壊は進行)も無駄になると思っています。
その他この法案には、刑事化、診療死の定義など問題は多いのかと思いますが、それについては細かく述べず、患者として安心して医療を受けるために、「人間はミスをするものだからミスを減らすシステム作り」に寄与できるような法案になることを期待しているとしてメールしました。
さて、トラックバックのトラックバックのトラックバックの…と辿ってきて偶然出会って以来拝見しているこちらのサイト。非医療者としてせっかく生の情報に触れることができたのですから、コンビニ受診問題や医療の不確実性について、これから周囲の人間に地道にさりげなく伝えていくことで、医療崩壊を防ぐ小さな力になれればと思っています。それではROMに戻ります。
by Ring♪ (2008-02-29 16:38) 

aruADRnoKankei-Sha

ADRは
ADRだから納得してくれるかというと そんなことはないように思います。
繰り返し 繰り返し 同じ事案が出て来て 何度も 情報収集など。。
by aruADRnoKankei-Sha (2008-02-29 20:29) 

かつお

医学生かつおです。
ご回答ありがとうございました。
僕の読解力のなさで先生のお時間をとってしまって大変申し訳ないです。
先生のブログを書く動機には熱く心を打たれました。
これからもお体に気をつけてがんばってください。陰ながら応援してます。
かつお
by かつお (2008-02-29 22:35) 

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