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ただの腸炎のはずが?(3) [救急医療]

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若い女性の腹痛は、現場で悩まされることが多いものだ。だからこそ、このブログでも、多くの事例をとりあげてきた。関連エントリーを提示しておく。

悩ましい若い女性の上腹部痛

本当に腸炎でいいですか?

たかが盲腸、されど盲腸

ただの腸炎のはずが?(2)

上記エントリーでは、症例の各論的知見以外として、診断過程における「医療の不確実性」の問題や「後知恵バイアス」という人間の認知の問題も併せて指摘してきた。いわば、これらは、救急初期診診療における「診療に対する信頼」の阻害要因と言えよう。この阻害要因の存在を、一般の方々に認識してもらうことは、お互いの信頼形成の第一歩だと思う。ある一般の方が、ある診療を「医師の誤診」と考え、その原因を医師の単純な能力不足のみにあると考え、他の要因は考えなかった故に、医師一般を全く信頼出来なくなってしまうという弊害を少しでも少なくするためにも、そんな阻害要因の存在を一般に方々にも認識していただくことは意義深いことだと思う。

大多数の現場の医師は、そんな「診療に対する信頼」の阻害要因に対抗すべく、日々、患者のために診療に努力を払っているものである。そんな姿もしっかり届けることで、医師への信頼感を高めてくれればというのが、ささやかながらのブログ主の思いでもある。

本日は、そんな現場の一端を、症例提示という形でお届けします。 一般の方々には、A医師とT医師の患者さんに真摯に向き合う雰囲気を感じ取っていただければと思います。救急診療に携わる先生方には、例によってクイズ形式としました。よろしければ、お付き合いください。

症例 24歳 女性  心窩部から腹部全体への痛み

生来健康。既往歴に特記事項なし。開腹手術歴なし。最終月経は一週間前で特にいつもと変わったことはなかった。 X日午前1時頃、心窩部の痛みがあり一度嘔吐した。痛みは、突然というわけでなく、波がある感じであるという。腹痛は、心窩部から臍周囲にも広がってきている感じがある。下痢(-)。最終排便、(X-1)日、20時ごろ、普通便。

X日午前6時に来院。当直のA医師が対応した。

バイタル BP 116/65 HR 70整 RR<20 KT 36.9。 腹部は、平坦軟。 心窩部から臍周囲にかけて軽い圧痛はあるが、腹膜刺激症状ははっきりとしない。他、身体所見で特記すべきことはない。

A医師は、時間外とは言え、やはり急性虫垂炎が気になったので、採血、検尿、レントゲン、自分で行う腹エコーなどで検査をすることにした。

その検査結果は次の通り。 

採血 WBC 12000 CRP 0.2。 レントゲンでは、胸腹部に異常ガス(-)。検尿 妊娠反応(-)、潜血(-)、蛋白(-)、糖(-)。 エコーでは、少量の腹水?、明らかな婦人科疾患を思わせるmass様エコー像認めず、腸管ガス多く回盲部の観察不良、胆嚢異常なし、腎臓異常なし。

A医師は、すっきりしなかったので、CT(単純)を撮った。 こんな感じである。 (一枚スライスでごめんなさい・・・・・)
図1.jpg

CT情報も含めて、A医師は、懸念していた急性虫垂炎はなさそうだと感じた。次に、A医師は、当直の産婦人科の先生にお願いして、婦人科的診察を行ってもらった。結果、婦人科的には問題ありませんとのことであった。

ただ、患者さんは、腹部の症状も残っているようなので、そのまま、日勤の医師へと引き継ぐ方針となった。

朝8時に引き継いだ医師は、T医師である。 申し送りを聞きながら、A医師と一緒にCTを見た。

「う~ん・・・、あまり燃えてないかな・・・、」とT医師。
「腫大した虫垂は見えないので、やっぱり腸炎ということでいいっすかねえ?・・・・」とA医師。

画像で腑に落ちなかったT医師は、患者さんのお腹をすぐに触りに行った。 確かに、マックバーネーの圧痛点の痛みははっきりしない。ただ、臍下部正中の下腹部にやや強い圧痛があることが少し気になった。

これをふまえて、T医師は、ある病態をイメージし、つぶやいた。
「もし、○○部の○○炎ならば、話が合うかも・・・・・」

T医師は、ある画像検査を追加した。 そして、診断がついた。つぶやきどおりだった・・・。

さて、T医師は、何を考え、どんな画像検査をしたのしょうか?

一般に、私達医療者は、この紹介した事例の様に、あれこれ悩みながら、患者さんの診療を進めていくものなのです。検査結果というものは、我々に簡単に全てを教えてくれるとは限らないのです。少しずつ、いろんな情報のピースを集め、それを考えつなぎ合わせ、ジグソーパズルを完成させるかのように、診療行為は進んでいくのです。その難しさとそれに立ち向かう医師達の姿を感じていただければ幸いです。

(8月28日 記)

皆様、コメントありがとうございます。 とりあえず、続けてみます。

これをふまえて、T医師は、ある病態をイメージし、つぶやいた。
「もし、骨盤部の虫垂炎ならば、話が合うかも・・・・・」

T医師は、A医師が撮った単純CT画像を見ながら、A医師にこう言った。

「A先生、この患者さんの回盲部はずいぶんと骨盤内よりだよ。しかも、回腸末端部が周囲の腸管と一塊となってわかりにくいし、そのせいもあって、正常虫垂像がよくわからいよ。CTで虫垂炎を否定するときは、確実に正常虫垂を画像で捕まえられたとき行うのが無難だよ。「腫大した虫垂が見えない(わからない)≠虫垂炎を否定できる」だよ。造影CTを撮れば、腸管と虫垂を識別できるかもしれないから、今から、造影CT検査を追加するよ。」

こうして、引継ぎを終えたT医師は、患者さんに、虫垂炎という病気は時に診断が難しい場合もあるということを説明して、造影CT検査の承諾を得た。

その造影CTの結果である。先に提示した単純CTとほぼ同じ高さのスライス部分の提示である。
図2.jpg
比較用に単純CTを併記
図1.jpg

T医師が行った造影CTによって、骨盤内に落ち込んだ回盲部から、骨盤正中部にかけて伸びる腫大した虫垂が同定された。単純CTでは、壁の造影効果がないため、周囲の腸管とは区別がつかなったのだ。

(注意:実際の診断は、パソコン上でのデジタル画像の連続スライスを見ながらの慎重に虫垂の走行を同定したうえでの画像診断です。ここに提示した画像一枚だけで診断がわかるというわけではありません。)

T医師は、外科医にコンサルトし、患者さんは、その日のうちに手術された。数日後、患者さんは、合併症なく経過良好にて、元気に退院していった。

A医師とT医師の見事な連携によって、患者は、今後発症したであろう虫垂穿孔→膿瘍形成の合併症を回避することが出来たのだ。腹部症状が残存していることを気にしてすぐに帰宅させずに引き継いだA医師の臨床判断、造影CTを追加するというT医師の臨床判断、こんなナイスジャッジの連携が患者を早期診断早期治療に導くことが出来たのだ。

医療行為におけるファインプレーとは、往々にしてさりげないものなのだ。こういうさりげなファインプレーに報道がもっと興味をもってくれたら、医師への社会的信頼はもっと高まろうものになあと勝手に私は思う。

いかがでしたでしょうか?

最近、この症例や他医からの紹介事例も含めて、単純CTの結果をもって虫垂炎を否定的に考えていたにもかかわらず、最終診断は虫垂炎であった事例を立て続けに経験したので、エントリーネタとしてみた次第です。私の事例はいずれも骨盤内虫垂炎の事例でした。そんなわけで、骨盤内の虫垂炎は、診断に難渋することが多く注意が必要と考える次第です。

急性腹症の早期診断 監訳 小関一英 P61から一部引用しておきます。

骨盤部の虫垂穿孔は最も見落とされやすく、腹部疾患の中でも最も危険な病態の1つであるが、その理由は以下の通りである。虫垂が穿孔せずに緊満している場合は、虫垂の腫脹と蠕動性の収縮による疼痛は明確で激しく、主に心窩部と臍部に感じられる。穿孔が起こると心窩部の疼痛は軽減し、骨盤の右側面や骨盤腔底部の腹側に限局した骨盤腹膜炎が起こる。この場合は、通常、下腹部の筋硬直は伴わない。虫垂の腫脹による痛みは治まり、骨盤腹膜炎による疼痛はしばしば非常に軽度である。患者は、病状が改善したようにみえることもある。

骨盤部虫垂炎は、穿孔前の診断も難しいし、穿孔後もなお別の難しさがあるということですね。 骨盤部虫垂炎・・・けっこうな地雷かもしれません。

まとめます。

本日の教訓
虫垂炎 その否定は慎重に。骨盤部虫垂炎がその一例

(8月30日 追記)


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共通テーマ:日記・雑感

コメント 20

コメントの受付は締め切りました
こんた

尿膜管遺残は....以前やりましたね^^;
by こんた (2008-08-28 21:22) 

moto

これは、似たような問題を、どっかでみたことがあると思って探してみたら見つかりました。
http://www.qqct.jp/seminar.php?id=1056
移動性盲腸に伴う虫垂炎。移動性盲腸自体は若い女性に多いそうです。
ただ、そうすると、「追加した画像検査」がわからんなあ。CT再検して、盲腸の移動を確認?最初のCTをよく見直せば、変わったところに虫垂見えたんでしょうか?
by moto (2008-08-28 21:52) 

moto

あ、しまった、引用URL探してるうちに、コメント1とられた(^^;。
by moto (2008-08-28 21:55) 

moto

連投すみません。
なおかつ余談です(^^;。
ブラックジャックに、たしか、移動盲腸ネタがあったはずだ、と思って、検索したら、ありました。
「勘当息子」って題です。
http://page.freett.com/gasu/hon-tezuka2.htm
by moto (2008-08-28 22:32) 

下っ端外科医

どうも。下手な散弾銃を数撃ちすぎていた下っ端外科医です。いつも楽しく拝見し、勉強させて頂いております。
今回の症例ですが、文章中にて腹痛の原因として婦人科(子宮外妊娠・PID)・泌尿器科(尿管結石・膀胱炎)疾患は除外されていますね。
onsetはsuddenではなく、痛み方に波があるというのは腸管蠕動の痛みでしょうか?しかし最終排便は普通便とされており、身体所見でも流水音や腸音亢進の記載はありません。レントゲンでもイレウスは除外されている様です。エコーでの腹水が腸管炎症に伴うものか、それとも正常月経後のものか(月経後のAppeで一度血性腹水で慌てたことがあったので。)判別できません。
痛みの首座が下腹部正中とされていますので、外科系の構造物としては例えばMeckel憩室の憩室炎なんてのも思いつきはしますが・・・。ただ、これを画像診断で確定するにはCFでしょうか・・・それともガストログラフィンでの注腸でしょうか?
採血データでは貧血の確認ができませんが、貧血傾向であれば憩室からの出血を考え出血シンチでしょうか?ただ、かなりの出血がないとdetectは難しいでしょうが・・。
by 下っ端外科医 (2008-08-29 00:57) 

僻地外科医

ん~、私も回盲部憩室炎~メッケル憩室を考えちゃうかな~。

画像診断としては胃粘膜シンチ(メッケル憩室では異所性胃粘膜を認めることが多いから)あたりでしょうか?
by 僻地外科医 (2008-08-29 06:22) 

なんちゃって救急医

皆様、ありがとうございます。ごくごく日常の現場のひとこまをもとにエントリーを書いています。したがって、疾患も極々日常であるということです。

○○部・・・・・解剖学的部位
○○炎・・・・・common disease

が入ります。
by なんちゃって救急医 (2008-08-29 06:55) 

スーザン

クイズとはまるで関係ないのですが、少し気になったのでコメントいたします。

文中に「最終月経は一週間前」とございますが、産婦人科的には「一週間前に終わった」のか「始まった」のかが大問題です。
「一週間前に始まった」ならまだ月経中である可能性があり、腹水のように見えるものは、月経血の腹腔内への逆流として正常所見の可能性があります。
「一週間前に終わった」のなら、今現在は月経から二週間たっており、排卵期にあたります。
腹水のように見えるものは、その場合は排卵による卵巣からの出血もしくは分泌液、ということになり、下腹の痛みも排卵に伴うものである可能性が出てきます。これも正常所見です。

もちろんこのクイズ上では「産婦人科医の診察を受けて異常なし」なので、上記ふたつは問題にならないのでしょうけど、救急外来からの連絡で「月経は一週間前」と言われて「始まったのですか、終わったのですか?」とたずね返すことが多いもので、つい余計なことを申し上げる気持ちになりました。
by スーザン (2008-08-29 10:40) 

なんちゃって救急医

>スーザン先生

ご指摘ありがとうございます。 始まった日を起点という意味合いで書いています。通常始まった日を起点にするというのが現場の感覚だと思いますので、ついその感覚ゆえ、記載があいまいになったようです。


by なんちゃって救急医 (2008-08-29 11:24) 

地方の外科医

CTでは左下腹部に虫垂の腫脹らしき像が認められますが、追加の検査がよくわかりません。XPはすでに取っているので内臓逆位ならもう分かっているでしょうし。超音波で左下腹部をみてみたとかでしょうか。
by 地方の外科医 (2008-08-29 12:08) 

地方外科医

左下腹部に虫垂の腫脹らしき像が認められますが、追加の検査がよくわかりません。XPで内臓逆位のチェックかとも思いましたが、すでに胸写はとっているようですし。超音波の再検でしょうか。
by 地方外科医 (2008-08-29 12:14) 

olddr

いつもはずしています。
ごく単純に考えると
下腹部正中に圧痛から
 部位 子宮、膀胱 
 炎症 子宮外膜炎、膀胱炎
解剖的にひねって考えると
 メッケル憩室炎 遺残臍帯炎
炎症ではないとすると(問題の意図からははずれてしまいますが)
 子宮外妊娠 静脈血栓症
・・・こういうことしか思いつきません。とりあえず経過観察、対症療法でしのぐ方針としてしまいます。

救急外来でなるべく(確定)診断から治療にもっていくことの重要性を勉強させていただいています。臨場感があり、続きが楽しみです。

by olddr (2008-08-29 12:42) 

石部金吉

さきほどお送りしましたが、もしかすると到着していないかと思い、
再送する次第です。重複していれば、これをボツにして下さい。

虫垂炎をみたら、以下の疾患も考えよ
(1) 憩室炎
(2) 卵巣嚢胞・嚢腫茎捻転
(3) 子宮外妊娠
というのを何処かで読んだ記憶があります。

(2)(3)はなさそうなので、憩室炎でしょうか?

正中下腹部痛となると、部位は判りません。

正解を楽しみにしています。

by 石部金吉 (2008-08-29 14:10) 

くらいふたーん

○○の○○炎となると内蔵逆位の虫垂炎しか思いつきませんでした。

一度だけ手術したことありますが なかなかいつもと反対のことをするのは難しいものだと思いました。

追加した検査は・・最初に胸腹部に異常ガスなしって書いてますから
胸写は撮っているのでしょうね。
ということは胸部では逆位はなかったのでしょうかね・・
とすると やはり反対側のエコーをやり直したか・・・
CTで3次元像構成をやり直したとか・・?そんなところしか思いつきません。

大腸憩室炎でしかも起こり始めなら もうっちょとぼやっとした痛みか あるいは痛みが強いなら炎症反応があがっているのではないかとも思いますがこの点で決めつけるのは危険ですけどね。

で担当医が虫垂炎が引っかかって丹念に診察検査を繰り返したとしたら やはり意外なタイプの虫垂炎だった・・って結論に。

メッケル憩室ならば・・あり得るのでしょうが炎症は見たことなし。
手術中に見つけて取っちゃったことは一回ありましたけど。


by くらいふたーん (2008-08-29 17:16) 

ハッスル

回盲部の液体貯留がなんなのか・・・一部高輝度に写っていると思いますが・・・膿瘍というような周囲の炎症はなさそうですが。

1)憩室炎(回腸末端):追加の検査が?
2)腸間膜リンパ節炎(この写真でわかる疾患ということであれば否定的):こちらも追加の検査が?
3)やっぱりPID:こちらも追加の検査が?
4)やっぱり虫垂炎?

追加の検査から考える(臨床では無い思考過程ですが)と経膣超音波?造影CT?

以前のエントリーでもそうですが、現時点の自分(の環境)では婦人科も念頭に入院経過観察できる病院に転院していただきます。

by ハッスル (2008-08-29 17:38) 

元外科医

S状結腸の憩室炎では?
by 元外科医 (2008-08-29 22:06) 

石部金吉

なるほど

つい最近の研修医症例検討会で、「病歴・身体所見から虫垂炎を疑って腹部CTを撮影するときに、造影は必要か?」という議論をしたばかりです。

その時は、「単純だけでいいのではないか」という結論になりました。

今回の症例とあわせて考えると、
(1) 病歴と身体所見から虫垂炎を疑う→単純CTで虫垂炎らしい→OK
ならば問題ないのですが、
(2) 病歴と身体所見から虫垂炎を疑う→単純CTでは虫垂炎らしくない→造影CTでは虫垂炎らしい→OK
となることもあるわけですね。

『誰も教えてくれなかった診断学(医学書院)』の p.117 にある診断確率の図で考えると、
(1)の場合には、病歴と身体所見による診断確率(=事前確率)が治療閾値よりも若干低かったが、単純CTで治療閾値を超えた、ということになります。
(2)の場合には、事前確率が治療閾値よりも若干低く、単純CTでさらに低くなったが検査閾値を下回るほどではなかったので、造影CTを追加すると治療閾値を上回った、ということになります。

奥が深い!

なんちゃって救急医殿へ:もし当サイト内や『日々是よろずER診療(三輪書店)』にこのような記事があったら、御教示下さい
by 石部金吉 (2008-08-30 10:47) 

moto

造影効果によって、腸管が追いやすくなって、判明した、ってことですね、糞石とかはなくて。
画像診断は、どんどん進歩しますからねー。
連続スライスを見てみたいですね。
by moto (2008-08-30 11:34) 

勤務医です。

出遅れました。
憩室炎であったのかなとおもったのはたしか。
たしかに 回盲部の位置が低い可能性を考えてはいましたが、
虫垂炎であったのですか。。。
分かりませんでした。

このような場合には直腸診での圧痛は強い可能性があるでしょうか??
by 勤務医です。 (2008-09-01 21:33) 

田舎の一般外科医

私も出遅れました.
病歴からは虫垂炎を真っ先に疑います.

私の経験では穿孔や膿瘍,糞石を合併した虫垂炎でない限り,単純CTで虫垂炎を診断することは困難と考えています.もっと踏み込んで言うと積極的に腹痛の原因を他の疾患とする所見がない状態で,かつ,CTで急性虫垂炎を否定するためには造影が必須だと言うことです.

この症例でもう一つ興味があるのは,本当に手術が必要だったかということです.もちろんこの判断は直接患者を診た外科医がするべきものですが,このCTと血液検査所見,理学所見を総合すると私には「すぐに」手術をすべき所見に乏しいように思います.まあ,CTでは虫垂の腫大だけはそれなりの所見と取れますし,他のスライスを見ていないので何とも言えませんが・・・.

私の印象ですが,若い患者の急性虫垂炎はこの症例のように造影CTで急性虫垂炎をきちんと診断すれば半分は緊急手術が必要ない状態で診断できるのではないかと考えています.逆にそれだからこそ,急性虫垂炎を早期にきちんと診断することは大切だと考えています.
by 田舎の一般外科医 (2008-09-06 22:31) 

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